“小池劇場”第3幕 金でバッジが買える「希望の党」

国内 政治

  • ブックマーク

Advertisement

 結局、都知事の椅子を単にキャリアアップの道具として扱っているのではないのか。誰だって、小池百合子都知事(65)自身が「希望の党」代表に就けば、いずれ国政復帰を果たし、さらには女性初の総理を目指していると疑いたくもなる。

 都政は蚊帳の外に置かれたまま、都知事選、都議選に続く“小池劇場”の第3幕がスタート。鳴り物入りで立ち上がった新党は、次の衆院選で200人近い規模の候補者を擁立するという。その中には、小池都知事の側近である若狭勝代議士(60)が発足させた「輝照塾」の塾生らがいる。

「9月16日に1回目の講義が終わった直後くらいから、若狭さんが目星をつけた塾生に選挙に出ないかと電話をかけ始めました」

 とは、輝照塾のある塾生。

「最初に訊ねてくるのは、700万円がすぐに支払えるかどうか。その内訳は、小選挙区と比例の供託金300万円ずつと新党の運営費100万円です。そのあと、選挙区についての質問があって、関東圏でいま住んでいるところからどれくらいなら離れても大丈夫かと聞かれた。さらに、選挙になったら、事務所の家賃やスタッフの人件費などは、当然、自分で負担しなければならないとのことでした」

 希望の党の候補者になるには、政治思想や信条よりも資金力がものを言うのである。

 実際、選挙費用はどれくらい必要なのか。選挙コンサルタントに聞くと、

「初めに、供託金のほかに1000万円は用意しなければなりません。まず、事務所の家賃が1カ月分で、だいたい100万円です。また、パソコン、ファクス、電話や机など什器のレンタルに100万円。さらに、選挙カーに看板を据え付ける費用が100万円くらい。ほかに、うぐいす嬢や選挙スタッフなど最低でも4~5人は雇わなければならず、人件費に150万円はかかります」

 ただ、選挙カーのレンタル代やポスターなどの公費負担分の費用は、得票数が供託金没収点(有効投票総数の10分の1)を下回らなければ、選挙後に選管から供託金が返還されるとともに支払われる。最終的に、自腹を切るのは500万円前後だという。

 つまり、その程度の金額で、小池劇場のキャストにさえなれば、政治のド素人や将来に行き詰った政治家でもバッジが買えるかもしれないのだ。

週刊新潮 2017年10月5日号掲載

特集「嘘と恨みと私利私欲 落としたい『政治屋』」より

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。