ウンザリする「自衛隊は憲法違反」の神学論争 9条加憲“陸海空”座談会

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政治家と学者の神学論争

陸自B そこへいくと、いまだに「憲法違反」などと言っている憲法学者がいることに憤りを感じます。本気で違憲だと思うなら、自衛隊廃止を主張しないのは卑怯でしょう。仮に彼らの学説が正しいとして、60年以上も憲法が国民に無視されている現状を、憲法学者としてどうにかしようと考えないんでしょうか。その点では「基地反対」と叫んでる人たちのほうがまだ筋が通っています。

陸自D 不思議に思うのは、自前の戦力を持つことは平和憲法に反すると言いながら、それに気付いている人もいない人も皆、アメリカの軍隊や核兵器に守られて安心していることです。日本を守るために武力を行使するのが日本人ならアウトだけど、アメリカ人ならセーフということになりませんか。それって本当に平和憲法の精神に合致しているのでしょうか。

空自E 疑問はもっともですが、それが現在の日本の憲法解釈なんですよ。匿名座談会とはいえ、自衛官として憲法擁護義務がありますから、解釈の是非を論ずるのは踏み込み過ぎじゃないかな。

空自C そうなると話が振り出しに戻ってしまいますよね。大前提として、そもそも自衛隊は違憲ではありません。それが日本政府の一貫した憲法解釈でしょう。もともと合憲なものをそうであると認めるために、不要であるにもかかわらずあえて条文を書き加える。それが今回の加憲案の本質ですよね。私は特にありがたいとも思いません。所詮は政治家と学者の神学論争であって、現場には関係ないですから。

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