ウンザリする「自衛隊は憲法違反」の神学論争 9条加憲“陸海空”座談会

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こっちが国民に問いたい

海自A そうですよ、私はその神学論争にウンザリしてます。護憲派の政治家や学者は、日頃は自衛隊は憲法違反だと言いながら、いざ災害が起きれば「自衛隊の到着が遅れた」などと批判する。あるいはミサイルが飛んで来る度、「自衛隊に撃ち落せるのか」と我々の能力を問いただす。自衛隊を“統制”する責任は“文民”にあるんですから、こっちが逆に国民に問いたい。「あなたたち“文民”は、自衛隊をどうしたいのですか」と。本来、「総理の加憲案をどう思いますか」という質問は、我々でなく国民に聞くべきです。ですから、国民投票、大いに結構じゃないですか。

空自C 白熱してきましたね。でもそれならば、私はもっとはっきりと、こう問いたい。「日本は軍隊を持つべきですか」と。それに対して国民がイエスと言わない以上は、9条の2で自衛隊が合憲化されても、「自衛隊とは何なのか」という我々にとって最大のテーマは残り続けます。自衛官は日々の任務に向き合いながら、それを考えていくしかないでしょう。結局、現場のやるべきことは変わらないということですよ。

海自A 本当は国民全体で考えてほしいテーマなんですよ。その難問を自衛隊員だけに押し付けている限り、日本に真の“文民統制”が根付くことはない。そのことには皆さんも同意されるのではないでしょうか。

一同 その通りですね。

週刊新潮 2017年9月21日菊咲月増大号掲載

特集「憲法改正に陸海空『現役自衛官』が緊急座談会 安倍総理の『9条加憲案』に意味はあるか」より

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