「北朝鮮情勢」仲介に“美貌54歳”スイス大統領 小国ゆえの戦略

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 緊迫感高まるばかりの北朝鮮情勢。日米韓が北への制裁圧力を強める中、あるヨーロッパの小国が交渉の仲介役に名乗りを上げた。「制裁強化は有効ではない」「対話の時がきている」、4日、そう発言したのはスイスの女性大統領ドリス・ロイトハルト(54)だ。

「スイスでは、主だった4つの政党の中から選ばれた7閣僚が、1年ごとに輪番で大統領を務める制度となっています。経済、環境エネルギーなどの大臣を務める彼女は、脱原発を決めたり、積極的で裏表のない性格、個性的な美人でもあり、国内では一番人気の閣僚です」

 とは、元北海道大学教授、欧州政治学者の田口晃氏。

 しかし国連安保理の制裁決議もなされ、何を今さらスイスが、と思わなくもないが、これには理由がある。

「38度線の国境には、今もスイスとスウェーデンの平和監視軍が駐屯しています。スイスには何より自分たちが中立国であるという自負があり、アピールしたい。自国を舞台に和平会談を行ってもらいたい思惑があるのでしょう。小国であるがゆえの国際的戦略なんです」

 そう語るのは、『黒いスイス』の著書を持つ筑波大学教授・福原直樹氏である。

 また中立国スイスは、北朝鮮にとっても数少ない交流のパイプを持つ欧州の国。北朝鮮はベルンに大使館を置き、ジュネーヴには国連代表部を常駐させている。

「金正恩は10代の頃、スイスに留学しています。それは祖父、金日成の影響です。金日成は南北統一後は、『欧州の中立国のようになりたい』といっていました。その時代から北朝鮮はスイスへの思い入れが強かった。恐らく今でも水面下で連絡を取り合っていると思われます。外交の世界はいろいろ。単純な表の報道だけでは分らない、裏の取引があるはずです」(田口氏)

 インドシナ戦争のジュネーヴ協定やシリア内戦など、和平交渉を何度も仲介してきたスイス。果してロイトハルトの工作もなるか。

週刊新潮 2017年9月21日菊咲月増大号掲載

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