「普通預金は損」のウソ 経済ジャーナリスト・荻原博子さんに聞く

ビジネス2017年9月21日掲載

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投資専門家のナンセンス

「インフレになったら貨幣価値が下がるので、今のうちに借金してでも株などの投資商品を買っておいたほうがいい」とアドバイスする専門家の方もいます。けれど、日銀が「デフレ脱却宣言」もしないのに、インフレ対策で株を買うなどというのはナンセンスです。

 また「投資をしないということは、お金を増やすチャンスを放棄することだから大きなデメリットだ」と言う専門家もいます。けれど、この見方は、専門家としては一方的すぎるのではないでしょうか。

「投資」では、お金が増えることもありますが、目減りすることもあるのです。しかも、増える確率と目減りする確率を比べると、経済環境を度外視すれば、「投資」で金融機関に手数料を取られるぶんだけ目減りする確率のほうが高くなります。

 しかも、その手数料を取り戻せるくらい投資商品が値上がりするのかといえば、株価を見ると公的資金が買い支えても2万円前後をうろうろしている状態です。

 繰り返しになりますが、日銀が「デフレ脱却宣言」をするまでは、デフレは続いています。ただ、預金をたくさん持っていたほうがいいと言っても、借金しながら預金するのはナンセンス。借金の金利と預金の金利では、借金の金利のほうが圧倒的に高いからです。

 例えば、キャッシングでは、金利14%は珍しくない。0.001%の普通預金をしながら、14%のキャッシングをすると、借金の金利は預金の1万4000倍ということになります。それは、誰が考えても損でしょう。

 デフレの今は、低金利でもお金の価値自体が上がっているのですから、預金にはデメリットもリスクもないと冷静にとらえておくのが良いでしょう。

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 同書のなかでで荻原さんは、「お金のことは苦手」と感じつつも「投資がやっぱり気になる」という人向けに、投資の世界の数々の落とし穴についてつぶさに解説している。

デイリー新潮編集部

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