死んだふり「シー・シェパード」に騙されるな

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 日本の捕鯨船ばかりを狙い、船体に体当たりし妨害する――環境保護団体を名乗るシー・シェパード。

 そのシー・シェパードが、8月28日、毎年行ってきた妨害行為を今年は行わないと表明した。理由として「人工衛星など日本の軍事級の技術に、とうてい太刀打ちできない」からという。また日本で新設されたテロ等準備罪をあげつらい、「特に我々の活動を咎めるような内容」であると強く非難していた。……つまりこれ、全面降伏ということか?

「いえ、決して白旗なんかじゃありませんよ。声明は代表であるポール・ワトソンの狡猾な戦略でしょう」

 とは、シー・シェパードの実態に詳しいジャーナリスト。

「シー・シェパードは、ほとんどこのワトソン一人が動かしている団体。そして彼は、自分が有利になるためならどんな嘘でもつき、それを発信する。捕鯨を行う日本を悪の帝国に仕立て上げたいんです。お金儲けのために。それで被害者面しているだけ。だいたい日本は軍事的な技術を使って彼らを追ったりしませんよ」

 シー・シェパードが世界的に名を知られたのは、日本の調査捕鯨船を妨害する様を過剰な演出でドキュメンタリーとした「Whale Wars(鯨戦争)」なるテレビシリーズによってだった。

「そこで船上のワトソンはわざと銃弾に撃たれたふりをしたりして、一躍人気者となったのです」(同)

 ところがワトソンは、2012年、ICPO(国際刑事警察機構)が出した即時逮捕の指名手配のため船に乗れなくなってしまったのだ。

「そうなると番組も成り立たず、支持者にも飽きられ、高い費用を出してまで船を出す意味がなくなってしまったというわけです」(同)

 今回の撤退声明、ペテン師ワトソンの、窮余のハッタリといったところか。

週刊新潮 2017年9月14日号掲載

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