茂木大臣だけではなかった―― 政治家が有権者に「手帖」を配る黒歴史

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現ナマと一緒に配られた衆議院手帖

『黒革の手帖』と言えば、テレビ朝日のドラマであり、その原作は松本清張(新潮文庫)だ。一方、『黒い手帖』で頭を過るのは、茂木敏充・経済再生相である。

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 茂木大臣の公職選挙法違反問題を、週刊新潮が報じ続けている。初報は17年8月17・24日号「『安倍改造内閣』の身体検査はD判定 いきなり公職選挙法違反!『茂木敏充』経済再生相が無償で配った『衆議院手帖』」だ。

 この記事で週刊新潮は、茂木大臣の選挙区である衆院栃木5区(足利市、栃木市の一部、佐野市)の有権者に対し、地元秘書などが「衆議院手帖」を毎年およそ3000部配布していることをスクープした。ちなみに手帖は1部600円。約180万円の「有価物」をばらまいていることになる。

『黒革の手帖』も週刊新潮の連載が初出なのだが……それはともかく、日本の政治史、それも公職選挙法にまつわる「手帖」の歴史を調べてみると、非常に興味深いことが浮かびあがる。手帖を有権者に配るという手口は、茂木大臣が“元祖”ではなかったのだ。いわば手帖にまつわる黒歴史を以下、つまびらかにしていく。

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