バド世界一「奥原希望」 関係者が語る“千代の富士級”の太もも

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 かつて「コンピューター付きブルドーザー」と呼ばれた角さんではないが、バドミントンで日本人初、世界一の快挙を成し遂げた奥原希望(のぞみ)(22)も負けてはいない。幼い頃、周囲から研究職に就くことも期待されたリケジョは、かの大横綱に匹敵するとも言われる太腿の持ち主なのである。

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 8月27日、英国・グラスゴーで行われたバドミントンの世界選手権女子シングルス決勝で、奥原はインド代表でリオ五輪銀メダリストのシンドゥ・プサルラ(22)を制し見事優勝した。

 日本勢としては男女を通じて40年ぶり。シングルスでは初の金に輝いた奥原は、名前の通り、来たる東京五輪の活躍が最も期待される“希望”の星となった。

「僕はよく冗談で、“千代の富士か奥原か”って言うんですが、それほど彼女の筋肉は凄い。特に太腿ですね。世界ランク2位の山口茜選手も立派だけど、奥原はナンバーワンだと思う」

 と評するのは、バドミントン日本リーグ運営委員会委員長・今井茂満氏(67)だ。

「彼女が凄いのは、どこを鍛えるか目標を立て、そこに向かって進んでいく能力です。スポーツの世界ではケガを筋力でカバーすると言われますが、そう簡単にはいかない。けど、彼女はちゃんとできてしまう」

 これまで、奥原は大きなケガを幾度も乗り越えている。2013年には左ひざ半月板、翌年は右ひざ半月板。おまけに、銅メダルをとったリオ五輪後は、右肩の故障に苦しみ、昨年12月の全日本総合選手権は途中棄権を余儀なくされた。

 故郷の長野で高校教諭を務める実父の圭永(きよなが)さん(58)もこう振り返る。

「リオの後、10カ月ほど思うように練習できない日々が続きました。それでも、しっかりトレーニングは続けて、コーチに『プレーはできないけど体は進化している』と言われました。今回の決勝が終わった後、娘からは『やったよ、勝ったよ。体がもうボロボロだよ』と電話で報告がきましたね」

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