東京五輪「GC」内定第1号は“箱根17人抜き”猛者

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「村澤、いいですねぇ!」

「いやぁ、キミにメチャクチャ言われたからね」

 レース後、日本陸連のマラソン強化戦略プロジェクトリーダーを務める瀬古利彦氏と、白水昭興(しろうずてるおき)日清食品グループ総監督との間で、そんな応酬が交わされたのだとか。

 8月27日、札幌で北海道マラソンが開催され、男子は日清食品グループ所属の村澤明伸(26)が2時間14分48秒で優勝した。2019年秋に予定される東京五輪マラソン代表選考会「グランドチャンピオンシップ(GC)」の出場権をかけた最初のレースで、村澤は出場内定の第1号となった。

「村澤といえば、箱根駅伝での“17人抜き”が語り草となっていますね」

 とスポーツ紙陸上担当記者が語る。

 長野・佐久長聖高校から東海大に進んだ村澤は、1年で“花の2区”に抜擢され10人抜きを披露。翌年も同じ2区を走り、17人抜きで区間賞を獲得した。

 もっとも、その後は故障もあり、ひところの勢いが消えた村澤だったが、今年3月、世界陸上代表選考会を兼ねた「びわ湖毎日マラソン」で久々にお茶の間を沸かせた。村澤にとっては初マラソン。しかもハイペースな展開だったにもかかわらず、25キロ地点で日本人単独首位に立ったのだ。

「でもその後、大幅にペースダウンし、ゴール後は救急搬送されてしまった。それを見た瀬古さんが記者団に対して村澤を“メチャクチャ”に酷評したのです」

 冒頭のシーンは、それを伝え聞いた白水総監督がチクリと返した場面というわけ。

「高校の後輩で一昨年までチームメイトだった大迫傑(26)が4月、初マラソンとなるボストンマラソンで2時間10分28秒の好タイムで3位に入った。これがいい刺激になったようです」

 次も瀬古サンに一泡吹かせてやれ!

週刊新潮 2017年9月7日号掲載

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