「タカタ」上場廃止 息子と骨肉の争いでも“女帝”は優美な老後

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白金台の億ション

 喜寿を迎えて、息子と“決別”した暁子氏はどんな人物なのか。自動車専門誌の記者がいうには、

「暁子さんの実父は、凸版印刷“中興の祖”と呼ばれる山田三郎太氏。また、実兄の妻は津軽家14代目当主・義孝氏の娘で、その妹は常陸宮華子さまという“華麗なる一族”です。“2代目社長”の重一郎さんとは、慶応大学の学生だった時に知り合って結婚しています」

 結婚後、暁子氏はタカタに入社して常務取締役、取締役相談役を経て、10年前から特別顧問に就任している。重一郎氏の生前、彼女は二人三脚で自動車メーカーや下請け企業へ足を運んでいたという。東京商工リサーチ情報本部の原田三寛部長によれば、

「取引先は、なかなか判断を下さない重久さんに不満を募らせていました。彼らは先代の重一郎氏を尊敬すると同時に、その片腕だった暁子さんへの信頼はいまだに厚い。“重久さんに代わって、暁子さんがトップに就いた方がいいのではないか”との声さえ聞こえてきたほどです」

 で、彼女は今どこで何をしているのか。

「目下、暁子さんが暮らしているのは港区白金台の億ション。その億ションとは別に、彼女は港区六本木にマンション一棟も所有している。そこに昨年8月、『ドーンインターナショナル』という不動産管理会社を設立して、個人資産を管理しています」(先の記者)

 重久氏も、大豪邸を差し押さえられることはないが、タカタの社長を辞任すると無職になってしまう。

「暁子さんは、チャイルドシートの普及を目的とした、タカタ財団の理事長を務めている。こちらはタカタ本体とは無関係ですので、活動を継続します」

 会社が破綻し、息子と衝突しても、老後の生活の“エアバッグ”は万全だったわけだ。

週刊新潮 2017年8月17・24日夏季特大号掲載

ワイド特集「『おんな城主』槿花一日の栄」より

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