ベリベリと裂ける血管… 「大木凡人」「快楽亭ブラック」が証言、恐怖の大動脈解離

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モルヒネが効かない

 この日、ブラック師匠はTBSラジオの出演をちょうど終えたところだった。

「後で飲みにゆく約束があってスタッフルームで待っていたんです。すると胸がギューッと締めつけられるような激痛が襲ってきた。たまらず横になっていると、スタッフが救急車を呼んでくれ専門病院に担ぎ込まれたのですが、胸の激痛が背中に移って、今度は左足が痛くてたまらない。看護婦さんに“麻薬でも何でもいいから楽になるやつを打ってくれ”と頼んだら、すでにモルヒネを何本も打っているという。麻薬がぜんぜん効かないほどの激痛だったんですね」

 今では高座にも復帰しているブラック師匠だが、「死の淵」を覗いた瞬間を忘れることが出来ないという。

 大動脈解離で手術を受ける患者は、1年間に6000人超といわれる。がんや脳梗塞ほどメジャーな病気ではないが、我が国はイタリアと肩を並べ世界でも抜きんでて患者数が多い。診断技術が向上しているという背景もあるが、大きな原因は高齢化と高血圧患者の増加である。実際、患者数は増え続けており、有名人がこの病気で命を落としたり入院するといったニュースを耳にすることも多い。中嶋しゅうの他にも俳優の阿藤快(享年69、大動脈解離からきたと見られる大動脈瘤破裂)や、歌手の大瀧詠一(享年65)がこの病で命を落としている。また、タレントの加藤茶(74)や落語家の笑福亭笑瓶(60)も危うく死にかけた。

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