ICBM発射でも北朝鮮を叩けない「文在寅」

国際 韓国・北朝鮮

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 北朝鮮がICBMの発射実験に成功――。7月4日の“火星(ファソン)14号”打ち上げ強行は、3日後にドイツで開催のG20への影響を計算したものでもあった。

「各国の首脳たちの中でも、一番あわてたのは韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領でしょうね」

 とある朝鮮半島ウォッチャーは苦笑しながら言う。

「G20開催前日の6日に、ベルリンで南北の平和統一を訴える“歴史的”講演を予定していたからです」

 先月末の米韓首脳会談では、北に圧力を加える方針で表向きは一致。が、その後も北朝鮮へ五輪の共催や共同チームでの参加を呼びかけるなど、国際的な圧力攻勢はそっちのけ。文氏は親北路線を突っ走る。

「マト外れもいいところで、提案を直接受けた北朝鮮の張雄(チャンウン)IOC委員が“天真爛漫な考え”と帰国後に皮肉っているほどです」(同)

 そんな大統領へまさに止めの一発の知らせ。さすがに“講演内容は大幅に修正された”と報道された。

「しかし、『平和統一環境を整える』とか、『韓国が問題解決に主導的役割を果たす』とか、やはり時勢も国力も無視した夢想的な話ばかりでした。修正前はどれだけ酷かったのでしょうか」

 と首をかしげるのは、評論家の室谷克実氏。

「左派系メディアでさえ彼の親北発言に疑問を呈するほど。支持率もまだ高く、国内的にも無理する必要はないのに……」

 では、なぜここまで現実を見ない発言が続くのか。

「2000年に同じくベルリンで南北融和を訴え、金正日(キムジョンイル)との首脳会談を実現させた当時の金大中(キムデジュン)大統領を意識しているんですね。“新”ベルリン宣言などと喧伝して、どうも文氏は、歴史に名を残すことばかり妄想しているようです」(同)

 見た目はインテリ、内実は妄想家。一番トップにしてはいけない人物では……。

週刊新潮 2017年7月20日文月増大号掲載

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