石破茂元大臣、安倍一強下で物申す 前川問題に「泥仕合はやめよう」

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■個人攻撃に異議あり

 まず、前川氏から投げられたボールは今、官邸の側にあるのだから、それを丁寧に、正面から投げ返すべきだと主張した石破氏。そうせずに、前川バッシングに「話を逸らす」政府の姿勢に、石破氏はさらに続けて苦言を呈した。

「それなのに、怪文書がどうとか、文書はあるだとかないだとか、出会い系バーに行ったとか行ってないとか、そういったことを話題にしている。そんなことは、行政が歪められたのか否かを判断するには何の関係もない。政府は、『なんで在任中に言わなかったんだ』などと、個人攻撃をしている場合ではありません。文科省内には彼を慕う一派がいて、在任中に発言したら彼らに累が及ぶかもしれないと、前川さんじゃなくたって誰だって逡巡するでしょ。とにかく政府は、『公平公正に行政をやっておるのです』と説明することに専念すべきでしょうね」

 なお、石破氏が批判した「怪文書」なるビーンボールを投げたのは、他ならぬ安倍官邸の番頭の菅官房長官だ……。

 そして石破氏はこう締めくくった。

「何はともあれ、出会い系がどうだとか何だとか、泥仕合っぽくなることは、事の本質でも何でもない」

 石破氏の「忠告」をよそに、国会では今日もドロドロとした加計を巡る駆け引きが続けられている――。

特集「『安倍官邸』一強で日本が失ったもの」より

週刊新潮 2017年6月8日号掲載

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