新麻生派より怖い「菅官房長官派」結成の深謀遠慮

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■秘密結社

 で、その勉強会はどこか秘密結社めいた趣もあると、先の関係者は明かす。

「菅さんは冗談めかして“会のことは口外しないで”と言っているようでね。政務官に抜擢された参加者もいたので、人事権を握る菅さんに取り入ろうと入会希望がありましたが、菅さんの意向で大っぴらにしてこなかったのです」

 だが、「新麻生派」結集に合わせて、「偉駄天」への勧誘が活発化しているのだ。

 ある若手代議士によれば、

「菅さんに近い議員から勉強会の誘いを受けました。私が他の派閥に入っていると知ると、“じゃあ、いいや”と言われましたけど……」

 実際、4月6日には派閥に属さない「偉駄天の会」のメンバーを中心とした会合が始まり、木曜昼に定期的に開かれているという。

「自民党の各派閥は木曜昼に例会を行いますが、派閥を跨いで参加するのは厳禁。ですから、木曜に会合を設定したのは、菅さんの派閥結成への布石ではと囁かれています。そういった見方を警戒してか、これまで菅さんは一度も姿を現していません」(政治部記者)

 菅氏は過去に安倍総理から“派閥を作らないか”と持ち掛けられても、それを否定し忠実に守ってきた。

「麻生さんに対抗し派閥結成となればポスト安倍に野心を出したことになる。今は“菅チルドレン”らに動いて貰い、来たるべき時には派閥も作れる布陣を敷く。そうやって、じわりと動くのが菅さんなんです」(同)

 深謀遠慮が似合う菅氏らしい、虚栄なき政界遊泳の一端が垣間見えるのだ。

ワイド特集「虚栄の市」より

週刊新潮 2017年5月25日号掲載

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