“小姑”岡田の処方箋を尻目に…「金本阪神」快進撃
岡田彰布著『金本・阪神 猛虎復活の処方箋』(宝島社新書)
就任2年目の金本知憲監督率いる阪神。3年ぶりに“貯金10”と調子がいい。
さて、ここに『金本・阪神 猛虎復活の処方箋』(宝島社新書)なる本がある。2005年リーグ優勝時の監督だった岡田彰布氏が、今季の開幕に合わせて著したものだ。
のっけから「第1章 金本・阪神のここがダメ」で始まるこの本、ダメ出しのオンパレードである。
たとえば、
〈北條をセカンドに持ってきたらいいやんか。なんでそんな発想をしないんかなあ〉
“小姑感”丸出しである。
その先の説明も嫌味だ。要は、日替わりで二塁手を使い回す金本采配をくさし、“二遊間は固定した方が良い”というのだが、
〈金本監督はずっと外野手だったから、選手時代に投内連係なんかに入ったことがないだろう〉
と露骨に“外野”を蔑視(ちなみに、自身の現役時代は二塁手)。あげくに、
〈外野は暇なポジションなんだ。ゲームに入っていかない。(略)だから現役からすぐ監督になっても、なかなか野球の流れに入っていけない。/純粋な外野手出身で、監督として成功した人はどれくらいいるか考えてみて欲しい〉
と、元も子もないことを仰る。
「“2軍監督をやっていない1軍監督はダメ”とも説いています。岡田さんはオリックスと阪神の2軍でコーチや監督を計7年やっていますからね。一方、金本監督は2軍監督どころかコーチ経験すらありません」
とスポーツ紙虎番記者。
「でも、金本監督は北條を遊撃手で使い、ベテランの鳥谷を三塁手にコンバート。これが奏功し、守備の負担が軽減した鳥谷は、不振に喘いだ昨季から一転し、今季は打率3割台と好調です」
他にも、福留を4番に据えるなど、岡田氏がダメ出ししている作戦はことごとく成功している格好だ。
「まあ、これがいつまで続くかわかりませんけどね。来年は“岡田監督”になってるかもしれませんし」
あとがきには、
〈金本監督の胴上げが見られる日を、楽しみに待っている〉
とあるけれど……。