「セカオワ」ら著名人も支援、犬“殺処分ゼロ”でふるさと納税を集めるNPOの偽善

社会週刊新潮 2017年5月18日菖蒲月増大号掲載

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「ピースワンコ」の保護犬

■犬「殺処分ゼロ」でふるさと納税をかき集める「NPO」偽善の履歴書(上)

 犬の殺処分――。いやな言葉である。なくなるに越したことはない。だが、「ゼロ」という数字を看板に掲げて資金を得るために、ただ生かされているだけだとしたら。そんな団体が、名立たる日本人大リーガーやロックバンドを広告塔に伸しているとしたら……。

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 戦争で無辜の民が命を奪われるのはいたたまれないが、多くの人にとって“家族”でもある犬が、無益な殺生の対象になるとしたら、やはり、いたたまれないと感じる人が多いだろう。

 昨今、ネット上にかわいい犬の動画があふれ、それが連日、バラエティ番組などで紹介され、視聴者はほっこりしている。だが、その一方で、いまも猫をふくめて年間10万頭近くが全国で殺処分の対象になっていると聞かされれば、なんとかして救えないか、と思うのが人情というものだ。

 そこに犬の救世主のごとく現れたのが「ピースワンコ・ジャパン」だった。災害時などに人道支援をするNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」(以下、PW)が、東日本大震災後に始めたものだ。

 その後、PWの所在地が広島県神石高原町に置かれたのには理由がある。地元の記者の説明によれば、

「人口1万人未満の神石高原町が町おこしにNPOを誘致したのが始まりで、折しも広島県の犬猫の殺処分数は、2011年度が8340頭、12年度が7350頭と全国ワースト。ピースワンコは13年秋、県内の犬の殺処分をゼロにする“1000日計画”を始め、昨年3月末、今後は殺処分対象の犬を全頭引きとると宣言し、殺処分ゼロが実現できたと発表したのです」

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