120歳まで生きたい「オノ・ヨーコ」の認知症 周囲が感じていた“異変” 

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■「ひと言」の不在

「ちょっと去年の暮れから心配しています」

 と、これは図に登場する北大大学院名誉教授で彼女の従弟にあたる小野有五氏の打ち明け話である。

「毎年クリスマスカードのやりとりをしているんですけど、普段だったらちゃんとサインをして、『ひと言』を書いてこられるところ、去年はそれがなかったんです」

 加えて、2015年11月のことである。

「東京都現代美術館で個展があった際、東京に来られてオープニングのパフォーマンスをなさった。その直後に控室で10分くらい話をしました。ヨーコさんと一緒に来られてるアメリカ人のスタッフ3人と、日本人は私とヨーコさんだけの計5人。そこでの印象はいつもと違っていました。人前に出るとビシッとなさっているけれど、もうちょっとざっくばらんなところでは冗談を言ったりするのに……」

 それがなかった。これは有五氏にとって初めてのことだった。

「自分から積極的にお話をされたり、こっちが何か質問をした時でも、てきぱき答えたりして盛り上がるわけですね。それが、こちらから色々と聞いても答えが返ってこないというか、“それはいいのよ”といった風で。『あれ?』と思って、それから気にはなっていたのです」

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