7億円を集めてタイへ逃亡! “超”女子力オバサン「山辺節子」のお花畑日記(下)

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■出資者たちからの怒り

 三流のメロドラマなら、ここでエンディングを迎えるところだろう。勾留生活における次のようなシーンにも触れながら――。

〈女性達は毎日化粧をする。囚人服もなく、取り調べもなく、思い思いの手持ちの服を着てそこそこのおしゃれをしているのである。眠るのも起きるのも自由、施錠されている以外はなんの決まりもないのだ。劣悪な環境の中にあっても女性は女であることをかた時も忘れない。せまい雑居房の中はいろんな国の化粧品のにおいがする〉

 高らかに「女性賛歌」を歌い上げる一方、事件のことには全く触れず、謝罪の言葉もなし。怒りが収まらないのは出資者たちだ。

「そんなことを書いているんですか……。ふざけるな、と言いたい」(5000万円を出資した男性)

「え! お詫びの言葉が一言も書かれていないんですか? “彼氏”の話なんて聞きたくもありませんよ」(6000万円を出資した40代の女性社長)

 出資者の感情を逆なでする内容の手記を彼女が書かなければならなかった理由は何なのか。タイで過ごした日々、38歳の絵利子を演じて悦に入っていた日々に対する強烈な未練が伝わってくる手記は、こう締めくくられている。それは山辺の本心に違いない。

〈帰国が近まるにつれ言い知れぬ恐怖がおそってくる。帰りたくない。この地にとどまりたい。新たなる絶望に向かって明日出国する〉

 ***

特集「タイ留置場で緊急執筆! “超”女子力オバサン『山辺節子』のお花畑手記」より

週刊新潮 2017年5月4・11日ゴールデンウイーク特大号掲載

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