金正恩、ひと月3人ペースで処刑 「パラノイア」「ヒトラー」傾倒の指摘も

国際 韓国・北朝鮮

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口臭がひどいから…

 高氏はこんな逸話を披露した。

「独裁者は力を誇示するために大規模なものを好む。正恩も例外でなく、ウォーターパークやイルカショー施設、スキー場を各地に相次いで作った。しかしそのような大規模な開発があると住民は迷惑します。ウォーターパークに電気を回すため、周辺でこれまで1日4時間使用できた電気が1時間に減ってしまった」

 平壌に高級マンションが建った時のこと。正恩が視察に来た際、電気不足でエレベーターが動かなかった。正恩が指示を出し、電気を手配させた結果、マンションは夜でも明るく、周辺は真っ暗になったという。

「平壌で大学を見学した際には、いきなり“半年後までに寄宿舎とマンションを1800世帯建てろ!”と随行者に命令を出しました。このような命令は突然出され、しかも予算も何も付かないため、同伴者はいつも怯えているそうです」

 金正恩は、自分が出した計画が遂行されているか、自らの目でチェックする習慣があるという。根深い猜疑心の現れだろう。

「東部の江南道に、父の正日が作らせたトウモロコシ畑がありました。見学した際、正恩は何が気にいらなかったのか、トウモロコシを刈り、牛を放牧せよと指示を出した。しかしそこは非常に寒い地域で、牛を飼うには小屋が必要ですが、小屋に通すエネルギーもないのです。結局、視察の際は温暖な地域から牛を連れてきて“計画は順調です”と嘘を吐くしかなかった」

 また、13年、正恩は南北国境に近い長在島を視察した。そこにいた軍人の首は細く、寄宿舎も粗末なまま。それを見て“これで南を解放できるのか!”と激怒し、改善を指示したという。

「軍は党や政府に働きかけて立派な寄宿舎を建てました。そして、育ちの良い屈強な兵士をわざわざ集めて視察を要請した。それを見た正恩は“だから人民軍が好きなんだ”と喜んだ」

 所詮すべてがハリボテの国家というワケだ。

 現在、韓国当局を驚かせているのは、軍総政治局長といった大幹部ですら、正恩に報告をする際、跪いて口を手で覆いながら話していることだという。

「正恩が“年寄りと仕事をしていると、口臭がひどい”と言ったからだそうです」

 もはや国家の体をなしていないというべきであろう。

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