「金正恩」平壌取材 TBSだけが出入禁止のワケ

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“虚像”に踊らされるマスコミ

 俗に“人間の盾”と揶揄されるのが、北朝鮮に滞在中の報道陣ご一行様である。その数、日本と海外合わせ200名弱。米国と一触即発で半島情勢が緊迫する中、4月15日の「金日成生誕105周年式典」の様子はテレビでもこぞって放送された。そんな中、在京4大キー局で唯一、TBSが平壌入りを拒まれ「出入禁止」になっていたというのだ。

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 居並ぶカメラの砲列が一斉に向う先には、いつになくご機嫌な金正恩の姿があった。祖父の誕生日という節目に招待した海外メディアに、愛想よく振舞う金王朝の3代目。その一挙手一投足を逃すまいと、レンズは必死に彼を追い続ける。

「北は4月25日に行われる軍創立85周年の式典も取材できるよう、一部海外メディアに対しては28日まで滞在を許可しています。当初、日本からはTBSも取材を認められていましたが、3月13日に放送されたある番組が原因で、入国を拒否されたのです」(全国紙特派員)

 その番組とは、坂上忍が司会を務めるバラエティー番組「好きか嫌いか言う時間」。脱北者が出演する韓国の人気番組を織り交ぜながら、公開処刑や政治犯収容所などでの人権侵害が如何に残酷か紹介したものだ。放送では、脱北者やデイリーNKジャパン編集長の高英起氏らが出演し、北の実態を赤裸々に語ったのである。

「案の定、放送が終わるとTBSには在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)が3日間に亘って抗議の声をあげたのです。今までにない激しいもので、人を替えてやって来ては猛烈に怒鳴り散らす。応対した外信部幹部は憔悴して可哀想になるくらいでした」(局関係者)

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