「黒烏龍茶」 ミランダ・カー絶賛の脂マネジメントに“粉飾決算”

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■大半の脂質は体内へ

 食事にポテトチップを加えて脂質の多い食事にしており、1日の脂質摂取量は約90グラム。糞便は最後の3日間で分析しているので、トータルで270グラムの脂質を摂取している計算になる。

 ミランダが提唱した理想量を上回る脂の値であるが、いったい黒烏龍茶の効果は如何ほどだったのか。

「3日間で黒烏龍茶は19・3グラム、対照飲料で9・4グラムの脂質を排出しています。その差でみれば、確かに黒烏龍茶はそうでない飲料より排出量は約2倍となりますが、そもそも総脂質摂取量は270グラムあったわけで、大半の脂質は体内へ吸収されている。日本人成人の平均必要エネルギーは1日2500キロカロリー。脂質の摂取基準は56〜83グラムです。黒烏龍茶を飲んだ場合も脂質は83・6グラム吸収されています。黒烏龍茶を飲んだらどんなに脂肪の多い食事をしても大丈夫というわけではありません」(同)

 排出量より吸収量が上回るという真っ黒な真実。これで脂マネジメントをしようものなら、“粉飾決算”の誹りは免れまい。

 群馬大学名誉教授の高橋久仁子氏は、最後にこうも指摘する。

「脂質摂取量と排出量の差を吸収量とみなして引き算すれば、グラフ(左)のとおり大きな差があるようには見えません。摂取した量を明示せず排出量が“2倍に増える”と強調すれば、消費者は実際以上の効果を期待してしまうでしょう」

 そんなウマイ話などあるわけないけど……どうせ気休め、いや効くかもしれない。そうした我々の心理を巧みに掴んだ、これらトクホの「大嘘」たち。嘘から出た「実」の数々を前にして、果たして国は、メーカーは、いつまで世間を欺くつもりなのだろうか。

特集「6400億円市場の虚飾! 『脂肪吸収抑制』喧伝で消費者を裏切り続けた罪!大反響! トクホの大嘘 告発第2弾」より

週刊新潮 2017年4月6日号掲載

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