「カルピス酸乳アミールS」 “降圧剤より効果大”のまやかし

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■「出版バイアス」

 実は、欧州食品安全機関も概ねこう指摘している。

〈一部の小規模な研究において、LTPの投与により、収縮期血圧が有意に低下したことが観察されるが、この結果は大規模な介入試験によって裏づけられたものではない〉

 科学ジャーナリスト植田武智氏が言葉を継ぐ。

「実際に大規模な臨床試験を行った海外の研究者は、LTPに有意な効果は認められないと結論づけ、“出版バイアス”の可能性を指摘しました。これは“効果アリ”の研究は、“効果ナシ”と比べて日の目を見やすいという偏り(バイアス)を指します。LTPの場合も、たまたま得られた望み通りの結果だけを発表した可能性は否定できないのです」

 しかも、十分な追跡調査が行われていないため、

「アミールSを飲んだことで効果を確認された人たちが、どれほど存在するのかも分かりません。さらに、漫然と飲み続けることで適切な医療を受ける機会を逃し、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞といった重篤な病気に繋がることを懸念する声もあります」(同)

「効果」を鵜呑みにして「後悔」しても遅いのである。

特集「6400億円市場の虚飾! 『脂肪吸収抑制』喧伝で消費者を裏切り続けた罪!大反響! トクホの大嘘 告発第2弾」より

週刊新潮 2017年4月6日号掲載

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