「ZOZOTOWN」ツケ払い2カ月 CMが言わない破滅リスク

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■風俗への“入口”に…

 企業法務に詳しい渥美陽子弁護士が言う。

「事実上、誰でも簡単にツケ払いが可能となっており、少なくとも未成年者については、法定代理人の承諾書をデータで提出させるなどの対応をすべきでしょう。安易な与信は、判断能力が未成熟な若者の金銭感覚を狂わせるおそれもあります」

 経済アナリストの森永卓郎氏も、こう懸念するのだ。

「枠を何十万円とすれば焦げ付くでしょうが、最後は親が支払ってくれるラインを5万円としたのでしょう。うまい商売だと思いますが、昔から購買欲求を抑えられない若者は多い。かつて丸井がカードで月賦販売し、若者のカード依存という社会問題を引き起こしましたが、あれを彷彿とさせます」

 むろん、親に助けて貰える子ばかりではない。借金を抱えた女性が夜の街で弁済を余儀なくされるのは、毎度お決まりのパターンだ。『日本の風俗嬢』(新潮新書)の著書があるライターの中村淳彦氏が言う。

「若い女の子が風俗嬢になる要因はカネに尽きます。今回のツケ払いも、間違いなくその“入口”となります。5万円が払えず風俗に流れるのかと思うかもしれませんが、時給800円のバイトではせいぜいひと月5、6万円。膨れ上がる借金はまず1、2万から始まる。徐々に少額の借金に慣れてしまい、生活を圧迫し、精神を追い詰めていくのです」

 成人相手のタバコでさえしつこくリスクが言い立てられるご時世。こんな商売されては、年端のいかない子など、ひとたまりもない。

ワイド特集「花も花なれ 人も人なれ」より

週刊新潮 2017年4月6日号掲載

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