日本初「ミサイル避難訓練」の課題 男鹿市民110人参加

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 北朝鮮暴発の危機が高まるなか、日本領土へのミサイル着弾もにわかに現実味を帯びている。手を拱いているわけにもいかず、行動に出たはいいが……。

 秋田県男鹿(おが)市で、日本初となるミサイル避難訓練が行われたのは3月17日のこと。内閣官房をはじめ、消防庁、秋田県、男鹿市が共同で主催し、男鹿市北浦地区の住民110人が訓練に参加したという。

 先日も秋田沖300キロの地点に撃ち込まれ、マレーシアでは暗殺もあったばかり。これらを受けて訓練実施に至ったとすれば、随分とスピーディーな対応ではあるが、男鹿市の総務課危機管理班の担当者によると、

「昨年9月頃に、訓練の話がきました。そのひと月前にも排他的経済水域に着弾していましたし、度々、秋田沖に着弾しているため、お引き受けしたのです」

 仮想の「X国」から弾道ミサイルが発射されたという想定だが、言わずもがな北朝鮮に他ならない。

「朝9時30分に発射されたという想定でした。まず、国から全国瞬時警報システム(Jアラート)によって3分後に情報が入ると、同時に“国民保護に係る警報のサイレン”という気持ち悪い音が防災無線から鳴りました」(同)

 さらに、防災行政無線やスマホのメールで「発射情報」が流れたという。

「迎撃した際の破片や爆風を避けるため、屋外から出来るだけ頑丈な建物に入る必要があります。訓練では2分ほどで建物内に入ることが出来ましたが、本番では建物がなかったらどうしたらいいかと不安の声も聞かれ、避難場所を増やすなどの課題が見つかりました」(同)

 もっとも、今回、想定したのは、核を積んでいない普通のミサイル。もはや核搭載が秒読み段階なわけで、ミサイル防衛は一刻を争う課題だ。いつまでも“コンニャク騒動”で騒いでいる場合ではない?

週刊新潮 2017年3月30日号掲載

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