“効き目ナシ”とメーカーも認識? トクホの大嘘 「コカ・コーラ プラス」新発売でも…

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3月27日に発売された「コカ・コーラ プラス」

 トクホ(特定保健用食品)に、また新たな商品が加わった。3月27日に日本コカ・コーラ社から発売された「コカ・コーラ プラス」である。だが、そのキャッチコピーには、従来のトクホコーラにあった〈脂肪の排出を増加させる〉という文言はない。背景には、消費者を裏切る「トクホ」の嘘があった。

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 従来のトクホコーラと同様、『コカ・コーラ プラス』も難消化性デキストリン(難デキ)が入っている。〈脂肪の吸収を抑え、食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにする〉とコピーにあるのは、難デキの効果を指しているのだろう。だが、元々は〈脂肪の排出を増加させる〉という、より踏み込んだ文言の使用を求めていたようだ。

 内閣府のHPで公開されている「消費者委員会新開発食品調査部会」の議事録によれば、委員会側が“排出増加”の根拠の説明を日本コカ・コーラ社に求めたところ、〈許可表示から「排出を増加させ」を消去し、キャッチコピーも修正〉してきたという。

 難デキに効果がないことは、「週刊新潮」先週号で指摘したとおり。

「各企業は、難デキには脂肪の排出を促すことで身体への吸収を抑制する効果はない、と認識し始めたのでしょう」

 と、千葉大学名誉教授の山本啓一氏(生理学・生化学)は言う。

 難デキの脂肪吸収抑制効果をうたうトクホの多くは、難デキの国内シェア8割を誇る「松谷化学工業」の研究者などが2007年と09年に発表した論文を根拠としている。だが、血中脂肪の減少率が大きな値を示したのは松谷の07年の実験だけ。各企業の「再現実験」は軒並み失敗に終わっているのである。

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 3月30日発売の「週刊新潮」では、前号に引き続きトクホの“大嘘”を検証。トクホコーラのほか、「ヘルシアコーヒー」(花王)や「黒烏龍茶」(サントリー)などお馴染みの商品にも言及している。

週刊新潮 2017年4月6日号掲載

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