小池都知事、“築地はコンクリでカバーされていて問題なし”の認識 ならば豊洲は…

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■ポピュリズムの極致

 これには築地市場協会の伊藤裕康会長も憤りを隠せない。

「我々としては決算期の3月までに結論を出してほしいと訴えてきました。それなのに、7月の都議選の争点にするというのは不愉快千万です。小池知事の独断で延期が決まって以降、我々との話し合いの場が設けられたのは1度だけ。一体どこが“都民ファースト”なのでしょうか」

 さらに、都庁関係者によれば、

「小池知事の特別秘書を務める野田数(かずさ)氏は豊洲について“トイレでご飯は食べたくないでしょ”と周囲に漏らしている。そして、“改修工事は必要だけど、築地で市場は続けられる”とも。しかし、6000億円かけて建てた豊洲新市場への移転を白紙撤回し、築地を再整備するとなれば住民による行政訴訟が懸念されます。そこで、小池知事周辺はリスクを回避するウルトラCとして“住民投票”を検討し始めた。移転の可否を住民の判断に委ねれば自らの責任が問われづらくなるというわけです」

 とはいえ、橋本大二郎元高知県知事に言わせると、

「これだけ不確定要素が多い状況下で住民投票を持ち出すなどナンセンス。ポピュリズムの極致だと思います。むしろ、専門的な知識まで理解を深めた上で、議会がきちんと議論を尽くすべきです」

 進むも地獄、退くも地獄、口を開けばブーメラン。都庁の「ヒロイン」の茶番劇にハッピーエンドが待っているとは思えない。

特集「インチキ調査!?『ベンゼン79倍』で小躍りの『小池都知事』に突き刺さったブーメラン」より

週刊新潮 2017年3月16日号掲載

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