手負いの「石原慎太郎」独占インタビュー 百条委に“座して死を待つつもりはない”

政治週刊新潮 2017年3月2日号掲載

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■百条委 上等!独占「石原慎太郎」インタビュー第2弾(上)

 小池劇場の「悪役」に仕立て上げられた「元都知事」の窮地は続く。都庁の女帝・小池百合子氏(64)の度重なる“口撃”に加え、泣く子も黙る百条委員会の設置も確定的。だが、「手負いの獅子」も反撃に転じた。悲壮な決意を胸に石原慎太郎氏(84)が再び吼える。

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石原慎太郎氏

「ボクシングに喩えれば、私は再びリングの中央に戻って戦いたいと考えている。コーナーに追い詰められて、打たれっ放しというのは我慢がならない。座して死を待つつもりはありません。もちろん、証人として百条委員会に呼ばれても構わない。上等ですよ。どんな場であっても、私の知る事実をきちんと話す覚悟です」

 石原慎太郎氏は開口一番、こう切り出した。

 小誌(「週刊新潮」)2月23日号でのインタビュー以降も、4期13年半に及ぶ長期政権を築いた「元都知事」への風当たりは激しさを増している。

 2月20日、東京都議会は議運の理事会を開き、豊洲移転の経緯を巡って「百条委員会」を設置することに全会派一致で合意。つづく22日の本会議で可決された。

 強力な調査権を有する百条委は、地方議会にとっていわば「伝家の宝刀」。その証人喚問の厳しさはこれまで取り沙汰されてきた参考人招致の比ではない。ウソの証言をすれば偽証罪に問われ、正当な理由なく証言や資料提出を拒めば禁錮刑を含む罰則が科せられる。

 奇しくも、05年には石原氏の腹心・濱渦武生元副知事が百条委で追及を受け、辞任に追い込まれている。

■“政治ショー”

 都政担当記者によれば、

「かねてより設置を唱えてきたのは共産・民進の両都議団でしたが、先週末になって公明も設置を認める方針を固めた。さらに、理事会の前日には自民も賛同に転じています。百条委に慎重な姿勢を見せていた自公が“転向”した背景には明らかに打算が働いている。いま豊洲問題について弱腰の姿勢を見せれば都民から総スカンを喰うのは目に見えています。要は、7月に迫った都議選を睨んで小池百合子知事の政治ショーに“乗った”ということです」

 政治アナリストの伊藤惇夫氏もこのショーには食傷気味で、

「都議会はつい最近、石原氏らを3月に開かれる特別委に参考人招致すると決めたばかり。その舌の根も乾かぬうちに“やっぱり百条委だ”と言い出したわけで、選挙目当てと批判されても仕方ありません」

 しかも、である。

「百条委で石原氏の責任を追及するのならば、当時、豊洲移転を強力に推進した自民、それに賛成した公明の都議団は、まず自らの判断が誤っていたと認めるべきでしょう。また、小池知事も“都議選の争点になる”と発言するなど、豊洲移転を選挙の道具に使おうとしている印象が強い。豊洲に移転するか否かという本質的なテーマが置き去りにされ、政局的な思惑だけが先行しているのです」(同)

■「気の毒なのは市場関係者」

 小池知事は2月10日の定例会見で、豊洲移転の延期に伴う損失補償のため、「50億円」の補正予算案を組むと発表した。だが、これは当初の移転予定日だった昨年11月から、今年3月末までの損失を想定した概算に過ぎない。当然ながら、移転の判断が先延ばしされる限り、時々刻々と血税出費は嵩み続けることになる。

 石原氏が続ける。

「一番気の毒なのは築地の市場関係者ですよ。移転問題が停滞している間、彼らはずっと宙ぶらりんの状態に置かれている。しかも、その補償は都の支出になるわけです。小池知事は“安全”と“安心”をごちゃ混ぜにして、問題を放置している不作為の責任を認識すべきだと思います。そもそも、築地市場は老朽化が激しく衛生面にも不安が残る。加えて、豊洲の“汚染”を取り上げるのであれば、建物の気密性が低く、市場の近くを走る首都高都心環状線から排気ガスが流れ込んでくる築地の現状に何故、目を向けないのか。私はいまでも豊洲に市場を移転すべきだと考えています」

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 百条委 上等!独占「石原慎太郎」インタビュー第2弾(下)へつづく

特集「『座して死を待つつもりはない!』独占インタビュー第2弾 百条委 上等! 手負いの『慎太郎』」より