「内村航平」母の1万5000円トークショー 子育てを語る

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恥ずかしい親

 内村が生れた時、「よし、この子がオリンピックに行ける選手になってくれたらいい」。そう思ってしまったのかもしれないという。

「航平が小学校1年生の時、団体戦で試合に出たら、彼だけがバック転ができなかったんです。その時は『私の子なのにどうしてできないの』と思った。結果は最下位。それでいいじゃない、そう思うまでには時間がかかりました」

 2年生の時も団体戦に出場したが、これも最下位だったという。

「4年生まで全然ダメだった。航平はマイペースな子でしたが、5年生の時、急に主人がインターハイで取ったメダルを見て『航ちゃんもメダルが欲しい。オリンピックに行く』と言い出したんです。この時が彼の人生の変り目でした」

 彼女にも、これが転換点だったそうで、

「子供に期待を寄せない。プレッシャーを与えない。安心させる……それからはそういう母親になりたいと思いました。皆さんは私を『いいお母さんですね』と言いますが、そうじゃなかったんです。今でこそ言えますが、私は『恥ずかしい親』でした。で、その直後の試合で素晴らしい成績を残してくれたんです」

 参加者たちもいつの間にか涙目に。彼女の話に感動したようだ。

 周子さんと内村の妻の間には、嫁姑問題があると言われる。その一つの証明なのかどうか、会場には杉山愛夫妻は駆け付けたが、航平夫妻の姿はなし。「私はいい姑ではなかった」と嫁姑問題をトークできる日は少し先になりそうだ。

ワイド特集「女という商売」より

週刊新潮 2017年2月16日梅見月増大号掲載

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