50歳マークセン、三股勝利 歴史的Vを生んだ“妻の葬儀”

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葬儀の日程が予選会と重なってしまった…(写真はイメージ)

 アジアンツアーとの共催となった男子レギュラーツアー開幕戦「SMBCシンガポールオープン」は、タイのプラヤド・マークセンが優勝を果たした。

 レギュラーツアー6勝目だが、驚くべきは御年50歳であること。50代での優勝はAONらに続き史上6人目の快挙である。

「彼は、昨年の日本シニアツアーの賞金王。加えてレギュラーツアーとアジアンツアー、と三足のわらじを履いて、年中どこかでゴルフをしている状態です」

 とゴルフ記者が語る。

「なんでも前妻との間に2子いる上、今の奥さんが昨年第2子を出産したばかりで、とかく物入りだとか」

 昨年、シニア資格を得たマークセンは9試合に出場し、優勝4回、2位2回という圧倒的な強さで歴代最高額となる賞金6228万円を獲得した。

「ライバルたちはお手上げ状態でした。ところが、ラスト3戦を欠場するというので理由を尋ねると、“来季は米シニアツアーに参戦する。そのための予選会に出るんだ”と。それを伝え聞いたライバルたちは諸手を挙げて大喜びしていたのですが……」

 これが、ぬか喜びだった。

「結局、予選会に行かなかったのです。理由は意外にも“妻の葬儀があるから”。前妻は3年前にがんで亡くなっているのですが、タイの慣習ではすぐには火葬しないそうなんです。でもって、その葬儀の日程が予選会と重なってしまったと。家族思いの彼は泣く泣く夢を諦めたのですが……」

 人間万事塞翁が馬、とはよく言ったものだ。

「もし、彼が米シニアに参戦していたら、この週はあちらの試合に出ていて、こちらの試合の歴史的Vはなかったはずなのですから」

 優勝賞金はミルク代には十分の2105万円。

 今年もライバルたちのため息は止まらなさそうだ。

週刊新潮 2017年2月2日号掲載

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