アニータ、14億円横領夫の出所を明かす 「チリで一緒に暮らしたい」

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■アニータが語った「チリの事情」と「14億横領夫の出所」(下)

 夫の千田郁司氏(59)が勤務先の青森県住宅供給公社から14億円を横領し、うち8億円を貢がせていたことで“日本一有名なチリ人女性”となったアニータ・アルバラード(44)。サンティアゴにある彼女の母親の自宅で行われたインタビューでは、筑波大生失踪事件につづき、横領夫の出所についても語った。

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3月に日本へ

〈話が一段落したところで、アニータが“ねえ、あなたタバコ吸う?”と聞いてきた。頷くと、“じゃあ一緒に行きましょう”と言って灰皿があるテラスに案内された。〉

「実は今年の3月、久々に日本に行くのよ。何年ぶりかしら。彼(夫の千田氏)に会うために(山形)刑務所に行って以来だから、たぶん、10年ぶりかな。彼、去年、もう出所したのよ。去年、彼からもらった手紙にそう書いてあったわ。

 手紙のやり取りは、彼に会うために刑務所を訪れた時から始めたの。最初、会いに行ったら、なかなか会ってくれないのよ。何回か行ってようやく会えたけれど、彼はただ私に『すまなかった』と言うばかり。顔もやつれちゃって。でもその時に刑務所の住所を聞いたので、手紙を書いたの。そして、彼はお金がないから、返信用のスタンプ(切手)も同封したわ」

■「彼に会いたい」

「それから1カ月くらいして、彼から返事が来た。日本語で書いてあるので、友達に訳してもらって。そこには、私に対する謝罪の言葉がたくさん並んでいたわ。それと、刑務所での仕事の話。いろんな小物を作っているんだ、という話とか。それから年に1回か2回、ずっとやり取りをしていたのよ。その手紙は大切にとってあるわ。

 去年、彼から来た手紙で出所したことを知ったけれど、そこには出所した後の住所が書かれていなかった。手紙には、どこか誰も知らない山奥でひっそりと1人で暮らす、ということが書いてあったの。そして今後、手紙は、まだ服役中の彼の友人宛に送ってくれれば、時々、刑務所まで受け取りに行くから、とも。

 それを読んでどうしても彼に会いたくなって、何とかして居場所を探そうと思っているのよ。とりあえず、彼がいた刑務所にまず行こうと思っているの。彼は出所した後も定期的に刑務所に来て、私が送った手紙が届いていないか確かめているわけだから、出発前に手紙を書いて、それが届く頃に刑務所を訪ねて、彼が取りに来るところを待ち構えるつもり。でも、日本には10日くらいしかいられないから、彼に会うのは難しいかもしれない。

 懲役14年という長い刑を受けた彼は、ついに罪を償って出所した。もう彼を責めることは誰にもできない。彼は堂々とこの後の人生を送っていいはずなのに、隠遁生活を決め込んでいる。それっておかしいじゃない? だから、私はどうしても彼に会いたいと思っているのよ。だって、まだ私たちは夫婦の関係のままだし、確かに彼は悪いことをしたけれど、貧乏な売春婦だった私の人生をすくい上げてくれたのは、他ならぬ彼なのよ。でも、手紙の感じだと、隠遁生活をしたいという彼の意思は固いみたい。だから、とにかく1度でいいから彼に会って、話だけでもしたいのよ」

■チリで一緒に暮らしたい

〈確かに、千田氏は長い服役期間を終えた。しかし、現在は青森県に引き継がれている約14億円の債権に対する弁済義務は一生ついて回る。今も妻の立場にあるアニータは、本来、夫と協力して弁済の努力をすべきだが、彼女が口にしたのは、事件発覚当初と同様の主張だった。〉

「あの事件のことは、未だに、本当にビックリしている。ただそれだけです。私はお金持ちと結婚したと思っていた。ところが、彼はお金持ちではなく、そのお金は横領したものだった。そして、逮捕されてしまった。チリに帰っていた私のところにまで関係者がやってきて、ハーバード大出身の弁護士を雇い、私からも何とかお金を取ろうとした。でも結局、大したお金は取れなかった。弁護士費用が莫大にかかったと聞いているわ。バカみたいな話よ。

 今の私の仕事は、テレビ出演はたまにで、メインでこなしているのは司会業。自分で言うのもなんだけど、結構人気があるのよ。仕事の発注元が私に求めるのは、ちょっと変なことを言うおバカなキャラクター。例えば、父の日のイベントに司会で呼ばれた時には、第一声で、『今日は父の日ですが、ここに集まったお父さん方、みんな浮気していますからね!』なんて言うと、会場が大盛り上がりになるのよ。みんな私に、そんなおバカな毒舌キャラを求めているの。そういう仕事だけで、十分に暮らせるわ。

 プライベートでは、カナダ人地理学者のパートナー、そして、9人の子どもがいるわ。長男は養子だけど、その下は全員私が産んだのよ。パートナーは今の人が6人目。みんな外国人よ。できれば私は日本で彼を説得して、チリで一緒に暮らしたいと思っている。そして、私の9人の子どもたちを見守っていて欲しい。最後まで一緒に暮らしたい。心からそう思っているの。

 彼がチリに移住してきたら、今のパートナーが嫉妬するんじゃないかって? それはないわ。だって彼はカナダ人だもの。嫉妬深いチリ人とは違うから」

特集「日本一有名なチリ人女性に『筑波大生失踪事件』を訊く!『アニータ』が語った『チリの事情』と『14億横領夫の出所』」より

週刊新潮 2017年1月26日号掲載

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