不支持51%で囁かれる、トランプ大統領“辞任”シナリオ

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身内を敵に回すと

 この「弾劾」は、米国憲法で認められた制度で、

「違法行為による個人の責任を問うものです。まず下院が検察役になって弾劾訴追を決議し、それに過半数が賛成すれば弾劾相当になる。その後、上院が裁判官役になり、3分の2が弾劾相当と判断すれば、大統領は罷免になります」

 そう語る島田教授に、過去の例を尋ねると、

「ビル・クリントンは女性問題で、“性的関係はまったくない”と言っていたのがウソだとわかり、偽証罪と捜査妨害の罪で弾劾にかけられ、上院で3分の2の賛成が得られずギリギリ助かった。また、ウォーターゲート事件のリチャード・ニクソンは、大統領執務室の録音会話を公表され、そこで共和党議員のこともボロクソに言ったりしていて、身内の共和党からも“あんなやつダメだ”という声が出て、辞任せざるをえない状況に追い込まれた」

 要は、録音テープが出てきたり、身内を敵に回したりすると危ないようだ。

 ところで、大統領が辞任した場合は、罷免による場合も死亡による場合も、

「副大統領があとを継ぐと憲法で決められ、副大統領も罷免された場合は下院議長が継ぐと、大統領継承法で決まっています」

 と、島田氏。たとえばケネディ大統領の暗殺後はジョンソン副大統領が、ニクソン大統領の辞任後はフォード副大統領が、それぞれ昇格している。

「トランプが弾劾されたら、副大統領のマイク・ペンスが昇格し、共和党内にそのほうがありがたいと思っている人は結構いるので、最後までトランプを守ろうとはしないでしょう」(同)

 すでにトランプ氏が“身内”をも敵に回しているケースは多々あるので……。

週刊新潮 2017年1月26日号掲載

特集「嵐の中へ船出した超大国『トランプ大統領』という魔人の急所」より

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