朴槿恵大統領、セウォル号沈没時に美容施術? 空白の7時間に迫る

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朴槿恵大統領

 国会での弾劾訴追案が可決され、職務停止に追い込まれた朴槿恵大統領。大統領本人、そして“親友” 崔順実への追及は続くが、「セウォル号沈没事故」当日の大統領の行動にも韓国国内の関心は高まっている。「新潮45」1月号で、ジャーナリストのベ・ヨンホン氏が“空白の7時間”に迫った。

■“空白の7時間”

 修学旅行中の高校生を含む死者・行方不明者304人を出す大惨事となったセウォル号事故の発生時刻は、2014年4月16日午前8時49分。“空白”とされているのは、朴大統領が事故発生の書面報告を受けた午前10時から対策本部に姿を現すまでの7時間である。

 朴大統領は10時30分に海洋警察庁(海警)長に電話指示を行っている。ところが、以降の救助状況の報告に対して反応せず、救助人員を正確に把握するようにとの電話指示を行ったのは14時57分。16時10分に開かれた緊急会議にも姿を現わさず、結局、大統領が対策本部に到着したのは17時15分だった。

 しかも、

〈そこで飛び出した発言は耳を疑うものだった。「生徒たちはみんな救命道具をつけているというのに、なぜ発見が難しいのですか?」。乗客を閉じ込めたまま海面に船首の球状突起だけ残して沈没したセウォル号の事故現場がテレビで中継されていたというのに、状況をまったく把握していなかったのだ〉

 この間、朴大統領は何をしていたのだろうか。崔順実の元夫と密会していた説、お祓いを受けていた説などが囁かれたが、現在浮上しているのが、「美容施術」説だ。

■美容施術?疲労回復?

 朴大統領は、かねてより崔とその姉の名を借り、アンチエイジング専門の医院「チャウム」で総合ビタミン剤などの注射剤を処方されていたという。

〈(大統領は)青瓦台の主治医を通さず、同医院の医師で大統領の諮問医に委託された金サンマンに注射を打ってもらっていた。保健福祉部の調査によると、チャウムが保管する崔姉妹のカルテには、朴大統領を指す「青」「安家」「VIP」といった記載が大統領就任前の11年から14年まで29回登場する〉

 杜撰な大統領の医療体制はさておき、事故当日に治療が行われていた可能性を示唆する証拠は今のところない。だが同時に、この日、誰と何をしていたのか、大統領は一切明らかにしてもいない。また、青瓦台が14年1月から2016年9月までに購入した医薬品の記録には、美容整形の施術で使われる皮膚表面麻酔剤などがあった。

〈いずれも事故後に購入されたという説明だが、朴大統領の美容に関する治療が常態化していた実態を示す〉

 その一方、公表されている注射剤の多くは慢性疲労にも効果があるとされており、

〈対策本部への訪問が決まる午後まで、美容を兼ねた疲労回復の治療のため、公務を中断していた可能性もある〉

 と、ベ氏は見立てる。美容施術にせよ疲労回復にせよ、事故対応が最悪であったことに違いはないが……。

 2017年には発生から3年目を迎えるセウォル号沈没事故。「新潮45」1月号掲載の『自滅した朴槿恵「空白の七時間」』では、国政介入事件の崔との関係などを踏まえ、朴大統領の疑惑を10ページにわたって特集している。

新潮45 2017年1月号掲載

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