小川宏さん、90歳の大往生 「ろうそくの火が消えるように」娘が明かす
名司会者がまた1人…(写真はイメージ)
享年九十、大往生だったという。17年続いたフジテレビの名物番組「小川宏ショー」の司会者・小川宏氏が11月29日、死去した。
NHK在籍時に「ジェスチャー」で紅白に次ぐ高視聴率を稼いだ小川氏はフリーアナウンサーの嚆矢でもある。
「入院されたと聞いていたのでご様子伺いでお電話したら、ご家族に“今日が初七日で……”と言われ、びっくりしてしまいました」
と言うのはフジの元アナウンス部長で、新人アナ時代から小川氏と仕事をした露木茂氏だ。
「僕にとっては“師匠”ですから、やはりショックですよ。あの番組はワイドショーの先駆けでしたし、『ジェスチャー』はバラエティの先駆け。常に時代の最先端にいらした方」(同)
「小川宏ショー」は放送4451回という記録を樹立。だが、人気番組終了後の喪失感は大きかったようだ。
小川氏ご本人はかつて本誌(「週刊新潮」)に、
「フリーは大変なんだ。局、特に幹部の言いなりだもの。ちょっとでも視聴率が落ちるといろいろというからね、局は」
とぼやいてみせながら、
「テレビにかかわる人間にとって、明日から画面に出なくなる怖さは大変なものなんです」
そう語ったことがある。降板後の8年間で腎臓結石などにより入退院を4度繰り返した。10年後には自殺寸前まで追い詰められ、鬱病と診断され、入院したことも告白している
だが、晩年は穏やかだったようだ。小川氏の次女・三佐子さんは明るく言う。
「亡くなる10分くらい前まで、普通に受け答えしてたんですよ。ろうそくの火が消えるように、という言葉の通りに亡くなりました」
テレビ興隆期の“光と影”を生きた立役者がまた一人、姿を消した。