都知事に向けられたウナギの恨み!? 伝説輩出「5時に夢中!」プロデューサーが明かした秘話(1)

芸能2016年11月10日掲載

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■1時間40万円!

 放送されているのは首都圏と群馬、京都、兵庫だけ。番組制作予算は民放キー局の足元にも及ばない。
 そんなハンデを背負いながら、ネットのニュースなどで頻繁に取り上げられることもあり、全国区の知名度を得ている番組が「5時に夢中!」(TOKYO MX・月~金曜日17時~)だ。
 カネもコネもないことを逆手にとって、制約の多い民放キー局では考えられないような自由な番組作りを進め、マツコ・デラックスさんやミッツ・マングローブさんらの才能を他に先駆けて送り出したことでも知られている。
 もっとも、番組開始時にはほとんど見ている人はおらず、番組あてのメールは2通だけという始末(それも1通は同時間帯の前の番組あて)。1時間あたりの予算も40万円というから、テレビ界の常識では考えられない低予算だった。民放キー局のゴールデン番組ならば、1コーナーのセットに千万単位のカネをかけることもある、と聞けば40万円(出演者のギャラこみ)がどの程度の金額かはおわかりだろう。

 そんな状態から、全国区の知名度を得るようになるまでの格闘の歴史を番組プロデューサー・大川貴史さんが綴ったのが『視聴率ゼロ!』だ。抱腹絶倒のエピソード満載の同書から、メジャーな局では絶対に考えられないような「事件」をいくつかピックアップしてご紹介しよう。
 第1回目は、「ウナギの恨み」事件だ。

■「家族に食べさせます」

 かつて金曜日に放送していたのが、ゲストのお気に入りの料理を紹介するというコーナー。
 さすがに有名人だけあって、番組には似つかわしくない有名店の高級料理が登場することも少なくなかった。もちろん、この料理は番組が購入するのだが、店側の厚意で、オマケとして多めに料理を提供してくれることもある。
 そんなオマケを狙っているのが、腹を空かしたADや若手のスタッフ。放送終了後には、余った料理に群がるのが慣例だった。
 さすがに大川さんは立場上、ガッツくわけにはいかなかったが、遠巻きに見ていると、その姿は「スラム街さながらの雰囲気」であったという。
 そのコーナーで、某ゲストが老舗の高級ウナギ店を紹介したときのこと。
 この時も、店の厚意で、かなりのオマケが供されて、スタジオには大量のウナギの蒲焼が届けられた。
「今日はウナギにありつける!」
 スタッフの期待は高まるばかり。
 ところが、放送後、そのゲストは、
「ありがとうございます。家族にも食べさせます」
 そう言って、なんと全ての蒲焼を持ち帰ってしまったのだ。

「期待を裏切られた形となった若手陣は暴動寸前。『ふざけんじゃねぇ』『セコイ!』『あいつだけは許せねぇ』と罵詈雑言が飛び交いました」(同書より)

 さて、問題はこのセコイゲストの正体。
 名指しはしていないが、同書には次のようにある。

「そのゲストは、今年の中頃、セコイ失態で首長を辞任してしまった元政治家さんです。当時から『貰えるものは貰っておく主義』だったようです」

 ひょっとすると、スタッフの「ウナギの恨み」が祟ったのだろうか……。

デイリー新潮編集部