慶大生集団暴行、事件の全貌を被害女性が明かす 「命令されてテキーラを何杯も…」

社会週刊新潮 2016年10月20日号掲載

 女子アナの登竜門として知られる慶応大学の「ミス慶応コンテスト」の中止が決まったのは10月4日。中止理由は、ミスコンを主催するサークルでの飲酒を巡る不祥事とされているが、これにはウラがある。その晩、1人の女性が複数の男から陵辱されていたのだ。

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 その肩書をひっさげ、多くの才媛が狭き門であるキー局女子アナの座を勝ち取っていった。元フジテレビの中野美奈子、日本テレビの鈴江奈々、元TBSの青木裕子、テレビ朝日の竹内由恵、TBSの宇内梨沙……。彼女らが誇る「ミス慶応」という輝かしい勲章は、今回の騒動によって決定的に汚されたのである。

女子アナの登竜門

「ミス慶応コンテスト」を主催してきたのは大学の公認サークル「慶応義塾広告学研究会」。会の公式HPで今年のミス慶応コンテストの中止が発表された10月4日、大学は塾生HPに清家篤塾長名の告示を掲出。そこには、広告学研究会に解散を命じたことが記されていたのだが、その理由としてこう説明されていた。

〈当該団体は平成二十八年九月二日、活動の一環で滞在していた宿泊先にて懇親会を催し、複数の未成年者が飲酒に及びました。その場において、互いを指名して飲酒するよう囃し立てる、或いはゲームの勝敗により酒を呷る等の危険な行為があったことが確認されています〉

 この告示からは、極めて重大な事実が抜け落ちている。サークルのメンバーはただ飲酒して騒いでいたわけではない。問題の夜、彼らは1人の女子学生に無理やり酒を飲ませた上、筆舌に尽くし難い乱行に及んでいたのだ。被害に遭ったのはサークルのメンバーだった18歳の女性。ここでは仮に京子さんとしておこう。

■海の家の“手伝い”

 京子さんの母親が語る。

「娘と私が会えたのは事件の翌日、9月3日の午後8時頃。娘が救急車で搬送された先の病院でした。憔悴しきった娘の身に、あの夜、何が起こったのかを私が聞いたのは会計を済ませようとしていた時です。男6人、それに女の子は娘1人だけと聞いて、まさかとは思ったのですが……」

 男6人はいずれも慶応の学生で広告学研究会に所属。事件の全貌を明らかにしよう。

 神奈川県の葉山町―─。広告学研究会は毎年夏、「慶応義塾学生CampStore」という海の家をオープンするが、その際、サークルのメンバーたちが活動の拠点にしている古びた合宿所で事件は起こった。

「娘はいくつかのサークルに所属していて、広告学研究会の活動にはこれまであまり参加してこなかった。ところが、8月末、サークルのメンバー数人から、海の家の後片付けを手伝うようにとしつこく誘われたそうです。これまであまり活動に参加していなかったのにわざわざ呼ばれたという事は、最初からそういう目的だったのでしょう」(同)

 合宿所は家というよりは小屋といった雰囲気の建物で、中には雑然と荷物が置いてある。9月2日午後6時半頃、京子さんは合宿所に到着して初めて、女性は自分1人であると知った。

■テキーラを強制

 京子さん本人が重い口を開く。

「7時半頃に皆で夕飯を食べた後、誰かが“上で飲み会をしよう”と言い出してお酒を2階に運び始めた。私は初めて合宿所に行ったので、状況がいまいちつかめないまま、そういうふうに過ごすのがいつものスタイルなのか、と思って2階に上がりました」

 2階には6畳ほどの狭いスペースがあり、メンバーは背の低いテーブルを囲んで座っていた。そこに加わった京子さんが手渡されたのは、ショットグラスに入ったテキーラだった。

「口をつけた瞬間にすごく強いお酒だと気付いて、あまり飲みたくないと思っていました。8時半頃、私はメンバーに命じられて1階にトランプを取りに行ったのですが、2階に戻った時、みんなが顔を見合わせて目配せをしている感じだったので不審に思いました」

 同じ頃、6人目の男性メンバーが到着。彼は2階で少し飲んだ後、1階に降りて寝てしまった。つまりその時点で2階にいたのは男5人と京子さんということになる。彼らの行動がエスカレートし始めるのはその頃からである。

「誰かが“京子が飲むゲーム!”などと言って私の名前でコールをかけて、みんながそれに合わせて煽り、“3秒で飲め!”などと命令されてテキーラを何杯も飲まされました。もう限界だし飲みたくないと抵抗すると、誰かが私の手を掴んでショットグラスを無理やり口にもっていかれて飲まされた。5杯くらいは連続で口にもっていかれ、飲むことを強制されました」

 京子さんを酔い潰そうとしているのは明らかだった。頭は朦朧としてくるが、しかし、彼女は自らの身に危険が迫っていることを察知した。目の前で男2人が服を脱ぎ始めたのだ。

「怖くなって逃げようとしたのですが、“階段は危険だから”などと言って、私の手を思い切り引っ張って引き戻されてしまいました。さらに、メンバーの1人が私を押し倒し、服を脱がせようとしたのです。私は、その日は生理中だったこともあって下を脱がされるのが嫌で嫌でしょうがなくて、力いっぱい抵抗してもみ合いになりました。ですが、向こうの力が強くて、逃げることができず、服を全部脱がされてしまって……」

■凌辱の様子を撮影

 恐怖、絶望、屈辱――。京子さんはその後の悪夢について、一語一語を絞り出すようにして、こう話した。

「抵抗する私を1人が組み伏せ、倒れてる私の上に別の2人がかぶさってきて、本当に辛くて、苦しくて……。彼らは、混乱して抵抗しようとする私に対して無理やり性行為をするだけではなく、口に性器を突っ込んできたり……」

 さらに、メンバーの1人は、彼女が陵辱される様子をスマートフォンで撮影していたというが、絶句する他ない事実は他にもある。

「私が動けずに床に横になっていると、突然、私の顔とか首に生温かいものがかかってきました。誰かが、私にまたがって、おしっこをかけていたのです。私はびっくりして、怖くなって、叫んで逃げました」

 それからの記憶は曖昧だが、翌朝気付いた時、京子さんは1階のベッドに寝かされていた。

「メンバーはすでに外に作業に出ていたようでしたが、私はなんでこんな目に遭わなきゃいけないんだろう、なんでこんなことされなくちゃいけないんだろう、と思いました。そして、今しかチャンスはない、逃げよう、と考え、近くのバス停まで行きました」

 だが、バスを待っているとメンバーの1人が現れ、

「合宿所を出るなって言ったのに、何で出たんだ!」

 と言い放ったが、京子さんはそれを無視してバスに乗り込んだ。

「とにかく家に帰りたかった。ですが、新逗子駅で限界がきて、途中下車して路地まで行き、そこで嘔吐しました。どうしても動けなくて、30分くらいうずくまっていました。それから何とか電車に乗ったのですが、また気持ち悪くなり、上大岡駅で降りて駅の救護室に駆け込み、そこで動けなくなりました」

 救急車で病院に搬送された京子さんは点滴を受けながら母親が来るのを待っていた。自分が性的暴行の被害に遭ったと知ったら、とてもショックを受けるに違いない─―。そんなことを頭に思い浮かべながら。

特集「『ミス慶応』サークル解散理由は未成年飲酒に非ず! 被害者が告発! 『慶大女子学生』テキーラ陵辱を握りつぶした慶大」より