広島カープ優勝の珍現象…献血に行列、鯉25%オフ

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 百貨店の記念セールでは、510万円の純金バットが売れたとか。経済効果330億円なんて、景気のいい話も聞こえてくる。が、それだけではない。25年ぶりの広島カープ優勝は、思わぬところに、歓喜の声が上がる、“珍現象”をもたらした。

日本一なら、さらなるフィーバー

 その一つが、なんと献血。日頃、不足しがちな血液だが、この度は1時間の献血待ちの列が出来たという。

 広島県赤十字血液センターの担当者の話。

「職員にカープファンがいまして、優勝したら何かやりたいと。マジック3から献血の受付でユニフォームを着て、優勝したら記念グッズを配ることにしました」

 マスコット人形“けんけつちゃん”に、カープのユニフォームを着せて配布したところ、普段の1・5倍の人が献血に押し寄せた。

「まずあり得ないことです。これ以上は、キャパオーバーなぐらいです」(同)

 さらに、カープとくれば、本物の鯉にも注目が。市内の「小西養鯉場」では、優勝翌日から、全品25%オフのセールを開始。白い魚体で頭頂部だけ紅い、「丹頂紅白」という種類が売れている。小西丈治社長によれば、

「41年前の初優勝の時、お客が“赤ヘルみたいだ”と言ったのを機に、“赤ヘル鯉”と呼ばれています。常時60匹ほどいますが、1匹2000~5000円の鯉が約30匹売れましたよ」

 まだまだ、ある。同じく市内の「木原佛壇」の木原賢治専務は、

「近頃の墓石は故人に所縁(ゆかり)の深い、様々なデザインの物が増えています。ならば仏壇もと思い、5年ほど前にカープ仏壇を作りました」

 その時は、球団ロゴがなかったため、今回は開幕前からデザインを考案、球団からもロゴ使用の許可を得た。朱塗りの仏壇の扉に鯉の滝登りが描かれている。展示用で販売はないのだが、

「普段は年配のお客が多いのですが、この仏壇を見にカープ女子も来ますよ」

 とにもかくにも、カープ様様なのである。

週刊新潮 2016年9月22日菊咲月増大号掲載

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