なでしこ元主将・宮間あや 監督代行から浴びせられた人格否定の言葉

スポーツ 週刊新潮 2016年8月11・18日夏季特大号掲載

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 人格否定。スポーツ紙に躍るそんな大見出しを目にしてギョッとした方も多いのではないか。所属チーム監督代行の言動にブチ切れ、退団を申し入れたのはサッカー女子の日本代表「なでしこジャパン」の元主将、宮間あや(31)である。新聞が報じなかった、人格否定発言の中身とは――。

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(※イメージ)

 なでしこリーグの「岡山湯郷(ゆのごう)Belle」で異常事態が起こっていることが発覚したのは7月28日。宮間や、ゴールキーパーの福元美穂(32)などベテラン選手4人が退団を申し入れたというのだ。その原因は25日に解任された結城治男監督代行(53)の言動で、スポーツ紙などは「人格を否定するような」発言があったと報じたのだが、暴言の内容には触れなかった。

「具体的には、練習前のミーティングの時に宮間らに対して『お前らがいなければもっと練習がうまく行く』、宮間に対しては『お前がいなければ俺は他のベテラン組と上手くやれる』などと言っていたようです。そんなことを言われたら、今までさんざんこのチームに貢献してきた宮間が屈辱的な気持ちになるのは当然です」

 そう話すのは、長年、岡山湯郷のゼネラルマネージャー(GM)を務めてきた黒田和則氏(70)。今回の騒動の責任を取りたい、として岡山湯郷に辞職届を提出した氏によると、

「チームのメンバー全体に対しても、『お前たちは中学生並みか』といったことを言っていたようです。女子サッカーなんて所詮は技術的に男子中学生並み、という意味だったらしい」

 暴言の主である結城氏が岡山湯郷のコーチに就任したのは今年3月。前監督の退任に伴って監督代行に就いたのは6月である。

■王様とは認めない

 女子サッカー解説者の江橋よしのり氏によると、

「岡山湯郷は『宮間のチーム』でした。結城さんの前の監督や前の前の監督の時には、宮間が実質的に監督の役割を担っていた。が、結城さんは宮間をチームの王様とは認めない、という考えだったのでしょう」

 実際、結城氏が監督代行に就任してからそれほど時をおかずに、

「監督代行とベテラン選手の間に溝が出来始めた」

 と、先の黒田氏は言う。

「当時、監督代行はこんな不満を漏らしていました。『私の指導の仕方がどうだこうだということを宮間が練習中に他の選手に言っている』と。私はそれを聞いて、『あなたのサッカーを一方的に選手に押し付けるのではなく、宮間らベテラン勢とよく話をして下さい』とお願いしました」

 しかし、結城氏は「選手は監督の指示に従うのが当然」との姿勢で、宮間らとコミュニケーションを取ることを拒否。7月中旬以降には「人格否定発言」も飛び出し、両者の関係は修復不可能な状態に陥ったのだ。

「チームとしては、宮間ら4人については残って欲しいということで慰留をしているところです」

 と、黒田氏は言うが、先の江橋氏はこんな意見。

「チームはこれまで宮間がいることにより大きな恩恵を受けてきたのだから、今回は彼女の意思を尊重してあげたほうがいい。彼女ほどのスター選手なら移籍先にも困らないでしょう」

 澤穂希の引退、リオ五輪予選敗退、そして今回の騒動。かつての輝きはどこへやら、最近の「なでしこジャパン」にはどことなく寂寥感が漂っている。

「ワイド特集 鉄の女の『金』『銀』『銅』」より