違法滞在の中国人でも“黒転白”で合法に…日本政府も後押し 爆増する「在留中国人」の裏技(3)

中国週刊新潮 2016年6月23日号掲載

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 外国人が日本に滞在するためには、その目的ごとの在留資格が要る。「留学」や「日本人の配偶者等」などがこれに当たるが、今回紹介するような“裏技”も。急増する「在留中国人」の手口を、ライターの前端紀嬉氏が明らかにする。

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「お隣さんは中国人」なんてことが当たり前の社会が到来しつつある

 会社設立を希望する中国人には、実は在留資格の取得だけを目的とする輩も少なくない。

 実際、永住者や帰化者も、本国から呼べるのは配偶者と子が限度。だが、親や兄弟姉妹などは、会社で採用して入国させることができる。

 今年1月、大阪の行政書士が、司法書士の資格が必要な法人登記申請を無資格で行い、司法書士法違反の容疑で逮捕された。この一件も在留資格の取得が目的だった。本人は、顧客の95%が中国人で1000件もの登記申請をしたと供述。1件につき15万円の利益を上げていたというから、やはりカネの力は恐ろしい。

 供給過剰気味の行政書士の中には、中国人の本音を悟りながら、矛盾のないストーリーを作り上げたり、引き出す者もいる。日本に住む中国人の顧客取り込みを狙ってか、

「中華料理店などに置いてある在日中国人向けのフリーペーパーには、在留資格申請を請け負う行政書士の広告が多数掲載されています。中には『黒転白』をうたった広告もある。黒転白とは、日本人や永住者と結婚した不法在留者が入管に自ら出頭し、一発逆転して合法的に滞在する『特別在留』資格を狙うこと。不法から合法に変わるから、中国語で『黒転白』というのです」(公安関係者)

 今後も日本に住む中国人は確実に増えていく。14年、留学資格から就労資格への変更が許可された外国人は1万2958人で、そのうち中国人は8347人と全体の約64%を占めた。今年4月には、中国教育部に直属する大学の大学生、院生などに対して、短期滞在ビザの申請手続きの簡素化が決定した。

 他方、自民党は「労働力確保に関する特命委員会」を立ち上げ、これまでのタブーを破り、単純労働者の受け入れなどについても、本格的な議論を進めている。

 違法行為、脱法行為で日本に居座り続け、永住権や帰化の申請をする中国人たち。これを日本政府が、図らずも政策として後押ししている構図が見えてくる。

 困ったことに、「お隣さんは中国人」なんてことが当たり前の社会が到来しつつあるのだ。

(1)はこちら

(2)はこちら

「特別読物 今や80万人! 爆増する『在留中国人』の裏技――前端紀嬉(ライター)」より

前端紀嬉(まえはた・のりこ)
1965年生まれ。中央大学中退後、映像、音楽制作会社を経てフリーライターに。北京に留学経験があり、中国事情に精通している。