藤田菜七子、デビュー4カ月で4度の落馬…危ない過密スケジュール

スポーツ週刊新潮 2016年7月21参院選増大号掲載

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 芸能事務所に所属し、CMにも出演――。競馬界に久々に現れた「アイドル」と言えば、藤田菜七子(ななこ)騎手(18)だ。しかし、デビュー以来、4カ月余りで4勝を挙げる一方、「落馬」も4回。早くもその“危機”を指摘する声が上がっている。

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JRA史上7人目の女性ジョッキー

 7月6日、兵庫・園田競馬場。この日、彼女は、関西で初めての参戦。場内は「菜七子コール」で沸き立ったが、第7レース直後、一瞬にしてそれは静寂に変わった。

 2着でゴールした藤田騎手は、減速途中で馬のコントロールを誤り、鞍から振り落とされる。担架で医務室に運び込まれ、その後のレースを欠場することになったのだ。診断の結果は幸い「打撲」で済んだけれど、

「菜七子は、それ以前にもこれまでに3回、落馬しています。普通の騎手は、せいぜい年に一度というレベルですから、これはものすごく多いペースですよ」

 と語るのは、さる競馬担当記者である。

「4月13日に船橋で1回、4月23日に東京で1回。この時は過怠金を取られました。報じられていませんが、これ以外に4月9日の中山でもゲートインする前に振り落とされてしまっています。今のところ大怪我には至っていませんが、落馬で騎手生命を奪われた人は少なくありません」

「怪我をしないというのも大事な才能」(競馬ジャーナリストの片山良三氏)。彼女の前に「美人女性騎手」と言われた、増沢由貴子が引退したのも、落馬がキッカケとされている。

■ご機嫌斜め

 原因は何か?

「“腕”のせいというより、過密スケジュールが主な原因だと思います」

 と先の記者が続ける。

「菜七子は中央競馬の所属ですが、人気があるから、地方競馬にも引っ張り出される。彼女が来れば、入場者が倍なんてことはザラですからね。しかし、平日は地方に移動、土日は中央に戻って連戦すれば、体力は消耗します。また、慣れない馬場、慣れない馬という環境で走ることも、落馬のリスクを高めています」

 実際、同期の他のジョッキーの地方競馬出走は、これまで0〜1回なのに対し、彼女は9回に上る。落馬の半分が地方で起きているのもこれを裏付けるのだ。

 加えて、

「取材の多さもストレスを増幅させている。競馬の専門紙やスポーツ紙だけではなく、一般紙も来ますから、同じことを一から何度も何度も話さなくてはならない。しかも、取材対応は昼寝の時間を割いて行うことが多く、睡眠時間も減っています。最近ではご機嫌斜めでぶっきらぼうに対応する例も出てきました」(同)

 心身の疲労がピークにあるのは間違いなさそうだ。

 藤田騎手が所属する「根本厩舎」の根本康広調教師に聞くと、

「忙しいのは、ジョッキーの普通の業務ですから。私がそれに答える必要はないでしょ」

 とこちらもご機嫌斜め。

 しかし、JRA初の女性騎手として活躍した細江純子さんは言う。

「私もデビュー当時は、マスコミ対応がわからず、神経を使いました。とにかく怪我にだけは注意してほしいです。ブランクが出来ると、ここまで積み上げたものが失われることにもなりかねません」

 スターだって人間。いつもいつも馬車馬のように、とはとてもいかないのであるのだから。

「ワイド特集 真夏の夜の夢」より