石田純一の不出馬、莫大なCM違約金がネックに 脇の甘さも命取りになりかねず

政治週刊新潮 2016年7月21日参院選増大号掲載

タレントの石田純一(62)

 東京都知事選に“自分から手を挙げた”鳥越俊太郎氏(76)が4野党の統一候補となったが、民進党は最後の最後まで、候補者擁立に手間取った。

「最初から、民進党は都連ではなく、岡田克也代表、枝野幸男幹事長ら党執行部で候補者を選ぶことを決めていました」

 と解説するのは、ベテランの政治ジャーナリストだ。

「というのも、参院選の1人区で実現したのと同じく、都知事選でも野党統一候補を立てる方針だったからです。本来、都知事選の候補者選びは、都連会長の松原仁代議士が責任者です。でも、他の野党とのネゴシエーションや高度な政治判断が任せられないため、何の権限も与えなかった。党執行部からの指示は、“自民党にばかり、メディアジャックされないように”ということだけでした」

 松原代議士は、タイミングを見計らって、松沢成文参院議員や元経産官僚の古賀茂明氏などの名前を挙げ、候補者として打診していることをメディアにリークしてきたという。

「党執行部からすると、松原代議士がその役を果たしていれば、“意中の人”を煙に巻けて好都合だと判断していました。ただ、蚊帳の外に置かれた松原代議士は不満が爆発寸前。枝野幹事長に接触しようにも相手にされず、“意中の人”も知らされませんでした」(同)

 その党執行部の“意中の人”は、タレントの石田純一(62)だった。

■岡田代表はべた褒め 志位委員長も“歓迎します”

「最初に民進党が担ぎ出した候補者を共産党などから推薦してもらおうとすると、軋轢が生まれるのは避けられません。ですから、党執行部は、市民団体などが後押しする候補者に共産党などとともに相乗りしていった方が野党統一候補が擁立しやすいのではないかと考えていました。石田さんの登場は、まさしく、そのシナリオ通りだったわけです」

 そもそも、石田が政治に関心を持つようになったのは、安保法案がきっかけだったという。

「昨秋、国会前で行われた反対デモに参加し、“戦争は文化ではありません!”と叫んでいたころから、いまの政治を変えなければならないと、近しい人たちには語っていたみたいです。実は、今回の参院選も、うちから立候補してもいいくらいの腹積もりは持っていた。ですが、出演する番組やCMの調整がつかず、断念したと聞きました」(同)

 8日、石田が記者会見を開き、“野党統一候補であるならば、ぜひ出させていただきたい”と、条件付きの出馬表明を行った。

 すると、民進党の岡田代表は“素晴らしい方だと思う”とべた褒めし、共産党の志位和夫委員長も、“野党統一候補が必要とのご発言は、私たちも同じ気持ちであり、歓迎します”と、応じたのである。

鳥越俊太郎氏(76)

■脇の甘さ

 一旦は、野党統一候補として目が向けられるようになった石田だが、むろん、これまでの人生、無傷でいられたはずもない。

 代名詞である“不倫は文化”は広く知られたところだが、結婚は3回。しかも、最初の結婚相手との間に生まれた、いしだ壱成は15年前、大麻所持で逮捕されたこともある。

“子育て支援に取り組みたい”などと主張しても、家庭崩壊を重ねた張本人だけに、いささか説得力に欠けるのは否めない。

 さらに、“有栖川宮詐欺事件”では、ニセ有栖川宮の夫婦が招待客から祝儀金1200万円を騙し取った結婚披露宴に出席していたことが発覚。また、出資金トラブルを起こした、ワイン輸入会社の広告塔になっていたことも明るみに出た。

 脇の甘さは、政治家にとって命取りになりかねなかった。

 しかし、石田の出馬表明は人騒がせに終わった。

 前出の政治ジャーナリストによれば、

「11日の会見で、石田さんは時間切れを強調していましたが、民進党執行部は内々に推薦を決め、すでに連絡も取り合っていた。石田さんとしても、民放の親しい政治部記者に、今後の身の処し方について相談をしていると聞きました。でも、テレビCMの差し替えなどによる違約金が予想以上に莫大で、なおかつ、民進党執行部が野党の足並みを揃えるのに手間取りそうだったので、出馬に二の足を踏んでしまったというのが、本当のところなのです」

 結果、鳥越氏が民進、共産、社民、生活の統一候補に。都知事選の投開票は、31日である。

「特集 風雲急を告げる『都知事』選 『石田純一』不出馬で『小池百合子』『増田寛也』それぞれの傷跡」より