自公推薦・増田元総務相の“脛の傷”…知事時代の1兆円の負債、330億円の借金

政治週刊新潮 2016年7月21日参院選増大号掲載

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増田寛也元総務相(64)

 人間誰しも、重大な決断をしなければならないときには、心の支えを求めようとするもの。ましてや、“スカイツリーから飛び降りるくらいの覚悟が必要”となれば、なおさらである。

 増田寛也元総務相(64)が心の支えに求めたのは数字、ということなのかもしれない。

 自民党は1カ月ほど前から、“誰が都知事にふさわしいか”という世論調査を繰り返してきた。

 そして、7月第2週の週初に行ったその結果は、増田元総務相の都知事選出馬を勢いづかせることになった。

 自民党都連所属の国会議員が明かす。

「個々の名前でアンケートを取ると、小池さんがダントツで、それに石原伸晃さんが続き、増田さんは3位という結果でした。ところが、無所属の小池さんと、自公推薦の増田さんという条件にすると、増田さんの支持率が、6ポイントも小池さんを上回ったのです」

 やはり、小池百合子元防衛相(63)の場合、4年前の自民党総裁選で、安倍総理を裏切ったことによる“傷跡”がいまも鮮明に残っているわけなのだ。

 世論調査の結果から、勝算ありと踏んだ増田元総務相は、11日の出馬宣言へと突っ走った。

 しかし、政治部デスクによれば、

「大体において、自公推薦の小池さんと無所属の増田さんという反対の条件などでもアンケートを取って、比較検討のうえ、推薦する候補を決めるべきです。結局のところ、増田さんをただ単に担ぎ出したいがために、その理由付けの世論調査であると指摘されても仕方ありません」

小池百合子元防衛相(63)

■増田元総務相の“傷”

 自民党は、“政治とカネ”の問題で、猪瀬、舛添と2代にわたって都知事が失脚したことに懲り、“安全パイ”として官僚出身者の擁立を模索した。そこで、白羽の矢が立ったのが、人気アイドルグループ「嵐」のメンバー、櫻井翔の父親である桜井俊前総務事務次官だったのはご存じの通りだ。

 結局、櫻井パパには固辞され、2番手として浮上したのが、建設官僚を経て、岩手県知事も3期12年務めた増田元総務相である。

 とはいえ、脛にまったく傷がないわけではなかった。

「増田さんの実績は、無駄な大型開発や公共事業を推進し、1兆4000億円もの莫大な負債をつくっただけ。その額は、知事就任前の2倍に上ります」

 と、共産党の斉藤信岩手県議が振り返る。

「退任直前には、競馬組合の借金問題で大揉めでした。知事がそこの管理者なのですが、何ら有効な手も打てず、借金を330億円にも膨らませ、県などに肩代わりさせました。その責任を取って、増田さんは給料2カ月分、約200万円のカットを申し出た。でも、我々が給料だけでなく、約3900万円の退職金の返還も求めると、それ以降、ダンマリを決め込み、結局、一切懐を痛めずに、岩手を後にしたのです」

 到底、“改革派知事”には見えなかったという。

 ともかく、自民党は組織票をバックにつけた増田元総務相と、あえなく袖にされた悲劇のヒロインという役回りの小池元防衛相が対峙し、分裂選挙に突入することになったのである。

「特集 風雲急を告げる『都知事』選 『石田純一』不出馬で『小池百合子』『増田寛也』それぞれの傷跡」より