共産党、衆でも民進と協力か 躍進の功労者は不破前議長

政治週刊新潮 2016年7月21日参院選増大号掲載

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10年前に日本共産党の議長を退いた不破哲三氏

 齢八十六のマルクス主義者は、ニンマリしたであろう。改選3から6議席と躍進した日本共産党。10年前に同党の議長を退いた不破哲三氏は、今回の選挙戦で3度も応援演説を行ったのだ。もっとも演説内容は、時代錯誤そのもの。次の衆院選でも“民共協力”を進めたいようだが……。

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 共産党は、マスコミの情勢調査では10議席程度取ると見られていた。が、フタを開けてみれば6議席。それでも志位委員長は、10日の会見で野党共闘について、

「32ある1人区のうち、11の選挙区で勝利を収めた。最初のチャレンジとしては大きな成功を収めた」

 と胸を張った。そして、今回の“陰の功労者”が不破氏である。前議長が、埼玉県浦和の駅前で演説を行ったのは7月8日。約2000人が集まった。まず、不破氏はアベノミクスを、

「日本の首相で政治に自分の名前を付けた人はいない」

 とこき下ろし、聴衆からどっと笑いが起こった。

 不破氏は、2006年1月、高齢などを理由に議長職を退任した。しかし、今も党中央委員会常任幹部会委員を務め、党内での影響力は絶大。党のカリスマ的存在である。だが、次の発言には違和感を感じた人が少なくない。曰く、

「サミットの様子を見て驚きました。世界各国の首脳を集めてまず何をやったか。伊勢神宮へのお参りですよ。伊勢神宮とはただの神社じゃないんです。戦争中は国家神道の総本山でした。事もあろうに外国の人を案内して参拝させてからサミットを始めたのです」

 だが、元共産党員は呆れる。

「大方の日本人にとって、伊勢神宮は日本文化の象徴です。それを今さら国家神道の総本山と批判するとは、時代錯誤も甚だしい。各国の首脳も、平和を祈念してお参りしただけでしょう」

■人殺し予算

「共産党は、次の衆院選でさらに民進党との協力を進めると見ています」

 そう話すのは、元共産党政策委員長の筆坂秀世氏。

「民進と小選挙区の調整を図るのは難しいという声もあるが、実際はそうではない。96年に小選挙区制が始まって以来、当選したのは3人だけです。民進党も300の小選挙区に全部候補者を立てるのは無理だし、共産党は民進党が立てられない選挙区に立てればいい」

 不破氏については、

「例えば、99年に国旗国歌法が成立したが、元々あれは不破さんの発想だった。それに当時の野中官房長官が飛びついて、急遽出された法案なんです。不破さんという人は、大胆で柔軟な発想の持ち主。衆院選を戦うにあたって、基本政策でも柔軟な対応をすると見ています」

 しかし、政治部デスクはこう指摘する。

「不破さんが伊勢神宮を批判し、藤野前政策委員長が『防衛費は人殺し予算』なんて言っているようでは、選挙には勝てません。世間からは、共産党の感覚はずれていると思われる。あんな失言をするから6議席しか取れなかったんです」

 政策より思想の問題。

「総力ワイド特集 景気悪化中なのに改憲勢力2/3! 国民が忘れられない『民主党政権』のトラウマ! 参院選 我ら凡俗の審判」より