清原和博 新ビジネスの打診も、頼るは両親が管理する預金通帳の2億円

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清原和博被告(48)

「五月の朝の新緑と薫風は私の生活を貴族にする」と萩原朔太郎は言う。詩人のハイテンションとは裏腹に、眩しい季節を憂鬱に過ごすのが清原和博被告(48)である。覚醒剤取締法違反の罪で起訴された番長の初公判は17日に即日結審、今月31日には執行猶予付きの判決が下される見込み。携帯電話も変えて出直す番長の頼みの綱は、両親管理の「2億円預金通帳」なのだ。

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 まず、3月17日に保釈されて以降の清原の動きを、ざっとおさらいしておこう。

「最初に入った松戸市内の病院から、しばらくして都内の医療施設へ転院。そこで薬物依存症の治療を行なってきました」

 とは、さる社会部記者。

「その後、都内にマンションを借りて、そこと施設とを往来する日々が続いています。マンションでは、キヨを精神面で支える銀座のクラブ嬢と過ごす時間が長いようです」

 実際のところ、番長の支援者は限られている。そのうちのひとりが、情状証人として出廷したハマの大魔神こと佐々木主浩氏(48)。彼には清原本人が事前に電話し、証人となることを依頼していたのだった。

 いまひとり、清原がすがるのが、身元引受人である父・洋文さん(78)である。

 ある関係者は、

「清原が西武に入団したときの契約金は8000万円で、年俸600万円。そういった、彼がまだ若いころのカネは両親が管理していました。当時は定期預金の利率が高かったし、ほとんど手をつけていないので、2億円は下らない貯金がある。それを切り崩せば、しばらくはやっていけると考えているようです」

 としたうえで、次のように言葉を継ぐ。

「それはともかく、担当の弁護士がかなり厳しく説諭している様子です。具体的には、“これまでのしがらみや関係はひとまず断つ”という方針。清原はそれに従って、携帯電話の番号やメールアドレスを変更しました。なにしろ、逮捕前に仕事で世話になっていた大手芸能事務所の会長にさえ、何の連絡もしていないのです」

 要するに、番長の方から接触を遮断しているのだ。

 ともあれ、差し当たって彼は、覚醒剤の禁断症状に苛まれ、躁鬱状態にあるという。

■「残存症状」

 精神科医の片田珠美氏によると、

「覚醒剤をやると怒りっぽくなったり、猜疑心が募ったり、不安・焦燥感を抱くものです。覚醒剤を断った後もこういった症状が続くことがあり、『残存症状』と呼ばれます。彼は保釈直後、多くのバイクで追いかけられたり、入院してからも報道陣に囲まれたりしました。このことが、精神的にさらなるダメージを与えた可能性は否定できません」

「だから……」

 と、先の関係者は続けるのだ。

「人前に出て、あれこれ振る舞うことができる状況にはありません。実は、ラーメン・チェーンなどから、『清原』の名義を使ってビジネスをやらないかという打診があるようなのですが、それも本気で考える段階にはないのです」

 番長が逮捕前、悔し涙を流しては呟いていた言葉がある。

「現役時代は、嫌なことやむしゃくしゃしたことがあっても、ホームランを打ったらスカッとした。文句も言われへんかった。けど、今はそれができへんのが辛いんや」

 野球にも社会にも裏がある。それを深く知る男に、五月晴れや薫風はまだ、きまりが悪いに違いない。

「ワイド特集 五月晴れの五月病」より

週刊新潮 2016年5月26日号掲載

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