高給取りが働かない「巨人」投手陣…菅野が孤軍奮闘

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〈野球賭博が露見した巨人は20ゲーム差の最下位からペナントレースを始めろ〉

 開幕直後、本誌(「週刊新潮」)はそんな意見があることを報じた。が、意外とペナルティなんて必要ないかもしれない。

 いま、巨人投手陣は“火の車”状態なのである。

 理由は単純で、とにかく、高給取りの連中が働かない。

 4億円プレーヤーの内海哲也(34)は、不調のため開幕2軍スタート。広島からFA移籍の大竹も1億円貰ってせっせと2軍で投げている。共に長期契約の最終年というのに。助っ人にしても、2億4000万円のマイコラス、1億5600万円のポレダの両名が2軍。手術で長期離脱中の杉内は、昨オフに5億円から9割減の5000万円での契約を余儀なくされたから、今回は罪を免じるとしよう。

 その結果、1軍はどうなったか。

 高木、田口、今村……聞き慣れない先発ローテーション3人の年俸は締めて7000万円足らず。無論、それで活躍してくれれば結構だが、3人の勝ち星を足してもたった4勝にしかならない(5月9日現在)。

 6日の中日戦では、昨秋のドラフトで育成の、それもドン尻の8位で指名された長谷川潤(24)なる新人が先発に大抜擢された。“育成出身新人の先発デビュー”は史上初で、“火の車”が生んだ珍事だ。長谷川は5回途中4失点で降板。まあ、年俸わずか240万円というのだから、責めるのは酷かもしれないが。

 さて、そんな惨状で孤軍奮闘しているのが、エースの菅野智之(26)だ。目下、4勝無敗で防御率0・79。

「打線も頼りないので、自ら打ちまくり、打率は4割超をマークしています」

 とスポーツ紙G番記者。

「先発のコマ不足ゆえ中5日で登板し、救援陣にも難があるから毎試合完投するつもりで全力投球している。彼は元々、肘に不安がありますし、このままだと早晩パンクしかねませんよ」

 高橋監督殿、もしかして「あの“賭博投手”がいてくれてたら……」なんてボヤいてませんか?

週刊新潮 2016年5月19日菖蒲月増大号掲載

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