漱石に魅せられたグレン・グールド 翻訳者の異なる『草枕』を買い集めた 〈読み巧者10人の私の夏目漱石体験(2)〉

文芸・マンガ週刊新潮 2016年4月14日号掲載

 今年「没後100年」、そして来年「生誕150年」を迎える夏目漱石の作品の魅力を、各界の読み巧者たちが語りつくす。タレントの眞鍋かをりさん、紀伊國屋書店会長兼社長の高井昌史氏らが登場した第1回に続く今回は、『草枕』そして『吾輩は猫である』の魅力をご紹介する。

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 漱石に魅せられたのは、日本人に限らない。バッハの『ゴールドベルク変奏曲』などの名演で知られる、20世紀を代表するピアニストのグレン・グールド(故人)もその1人。35歳の時に手にした『草枕』を生涯の愛読書としていたことは、横田庄一郎『「草枕」変奏曲』(朔北社)で詳しく紹介され、ファンの間では知られた話だ。

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