『孤独のグルメ』スタッフがおくる背徳の銭湯呑み

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“銭湯は裏切らない”との名言を残したのは故立川談志師匠である。来るんじゃなかったと思ったことがない、というものだが、談志師でも、この快楽は経験できなかったかもしれない。

 4月9日にスタートした土曜ドラマ24『昼のセント酒』(テレビ東京)は、ダメサラリーマンが仕事をサボって昼間っから銭湯に浸かり、生ビールをあおるという、いわばサラリーマンでなければ味わえぬ背徳の妙味を描いている。

 主演は戸次重幸。あの大泉洋や安田顕などと同じ北海道の演劇ユニットTEAM NACSのメンバーである。初回は、京成小岩駅周辺の「鶴の湯」と居酒屋「はむら」という実在の店舗を使っている。なにやら『孤独のグルメ』にも通じるが、まさに同じスタッフが作った新シリーズで、『孤独~』の原作者である久住昌之氏の同名エッセイが原案。

「そこに広告会社の営業というドラマ性を組み込んだ。『孤独~』は酒も呑まずに食べ過ぎだったから、こっちのほうが親近感が湧く。かけ湯のマナーを伝えているのも好ましいし、厳しい上司の下、サボりたくなる気持ちもわかる。でもねえ、まだ明るいうちに銭湯を出てジャケットを着こむと暑いことがわかってないよ」

 とはダメ社会部記者だ。

 新入社員は決してマネしないように。しかしながら、真夏の昼日中、現場近辺を総当たりしてもロクな話が取れず、汗だくでは先様に失礼だろうと理由を付けて銭湯に行き、その後の生ビールの旨さといったら、やった者にしか……あ編集長。

週刊新潮 2016年4月21日号掲載

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