加山雄三がBABYMETALを大絶賛「オレはジジイの大ファン」

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歌手の加山雄三

 世界の檜舞台から降りたアスリートとは対照的に、一躍、スターダムに駆け上がったのがこの3人。10代少女のメタルバンド「BABYMETAL」の最新アルバムが、ロックの本場・イギリスのチャートで15位にランクインしたのだ。日本人として41年ぶりの快挙だが、歌手の加山雄三(78)は早くから彼女たちの活躍を予見していた。

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「全英チャートで15位ってのは、快挙なんてもんじゃないだろう。遂にここまで来たかって印象だねえ」

 と、感慨深げに言うのは加山氏だ。

「初めて彼女たちの曲を聴いたのは2年くらい前だったかな。歌は上手いし、ダンスもバッチリ。バックバンドのテクニックも世界で上位のレベルだと思った。だから“これは絶対に海外でもウケる”って確信を持っていたんだ」

 加山氏は、今でも積極的に様々なジャンルの音楽に触れているという。そのせいか、当初の予想は見事に的中。4月1日に発売された2枚目のアルバム『METAL RESISTANCE』は、発売からわずか1週間で「UKチャート」の15位にランクインを果たした。1975年に作曲家の冨田勲氏(83)がシンセサイザーを用いて編曲したクラシックアルバム『月の光』の17位という記録を、あっさり更新したのである。

■ジジイの大ファン

「BABYMETAL」のメンバーは、「さくら学院」というアイドルグループ出身の中元すず香(18)、水野由結(ゆい)(16)、菊地最愛(もあ)(16)の3人だ。バンドは2010年に「アイドルとメタルの融合」をテーマに結成されたそうで、芸能記者によれば、

「BABYMETAL」の3人

「エレキギターとベース、ドラムによる重厚な楽曲に対してボーカルはアイドル特有の可愛い声。一見、ミスマッチな組み合わせが最大のウリです。そもそも3人はAKB48のようなアイドル志望で、結成までメタルの曲は聴いたことがなかったそうですが……」

 人気に火が付いたのはここ2~3年のことだった。

「2014年と15年には欧州各国や北米を巡る2度のワールドツアーを開催し、14年の7〜8月にはレディー・ガガの北米ツアーの前座にも抜擢されています。日本よりもむしろ、海外で先に人気に火が付いたので、“逆輸入アイドル”と言うこともできるでしょう」

 演奏はプロのメタルミュージシャンだが、フロントの3人はどう見てもただのアイドル。そのため国内外のファンや音楽関係者の間では、彼女たちをメタルバンドとして認めるか否かで意見が分かれている。その点、メタル専門誌「BURRN!」の広瀬和生編集長はこんな意見だ。

「極めてレベルの高い演奏をバックに、10代のアイドルたちが歌って踊る。英国に限らず海外のオーディエンスが初めて目にする形態で、彼らはカルチャーショックを受けたようです。UKチャートで15位に入ったのは、彼女たちの音楽が真っ当なメタルかどうかという議論はさておき、彼の地の音楽ファンが『BABYMETAL』という存在を“日本発の全く新しいエンターテインメント”として歓迎し、そして認めたからではないでしょうか」

 さて、加山氏に今後の共演の可能性を尋ねると、

「それはヤバイ。オレ、きっと舞い上がっちゃうよ。オレはジジイの大ファンってだけだから」

 若大将の表情は、すっかり好々爺のそれなのだった。

「ワイド特集 カエルの楽園」より

週刊新潮 2016年4月21日号掲載

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