日本アカデミー賞スピーチで野心が垣間見えた嵐「二宮和也」

エンタメ 芸能 週刊新潮 2016年3月24日号掲載

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 アカデミー賞の本場・ハリウッドでは、『レヴェナント 蘇えりし者』に主演したレオナルド・ディカプリオ(41)が初めて主演男優賞を手にした。一方、日本ではジャニーズ事務所の人気グループ「嵐」のメンバー、二宮和也(32)が初受賞。2人はそれぞれスピーチに立ったが、二宮の言葉からは、野心が垣間見えた。

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意外としたたか

 華やかさと独特の高揚感に包まれた会場は、その瞬間、やや微妙な空気に包まれたという。

 映画『母と暮せば』の演技が評価された二宮は、

「先輩の岡田准一から次はお前だと言われていた」「嵐のメンバーも喜んでくれているはず」

 と目を潤ませて語り始めた。そして最後を、

「ジャニーさん、メリーさん、ジュリーさんと、今までずっと迷惑をかけてきた人たちに、これでちょっとは恩返しができたかと思うと凄くありがたく、また頑張って行こうと思っています」

 と締め括ったのである。

 本場のアカデミー賞授賞式では、挨拶の冒頭で監督や共演者、スタッフに謝意を伝えるシーンがよく見られる。だが、所属事務所の社長や取締役に謝意を述べる受賞者はほとんどいない。それだけに、二宮のスピーチを聞いた人々の脳裏をよぎったのは、1月に世間を騒がせたSMAPの“謝罪会見”のワンシーンだったに違いない。

 芸能記者が解説する。

「5人のメンバーの中でも、とくに草なぎ剛の“今回、ジャニーさんに謝る機会を木村君が作ってくれて、僕らはここに立てています”という言葉が注目されました。あの一言で世間の風向きは一変し、“ジャニーズ事務所はタレントに服従を強いている”と、厳しい声があがるようになりました」

 その点を考慮したのか、テレビ放送では二宮が3人の名前を挙げたわずか10秒がカットされていた。

■脱アイドル後

 二宮の発言について、ジャニーズ事務所は「コメントはしない」と言うばかり。その一方で、アカデミー賞の事務局は授賞式では特別な配慮があると説明する。

「二宮さんに限らず、各賞の受賞者にはスピーチが画一的にならないよう、製作スタッフや共演者の名前を挙げて謝辞を述べることはご遠慮頂いております」

 つまり、通り一遍な挨拶は控えるよう釘を刺していたワケだ。が、そんな制約の中、最優秀助演女優賞に選ばれた黒木華(はる)(26)は、

「山田監督には本当に感謝してもし切れないなと思います」

 と笑顔で挨拶し、例えば『日本のいちばん長い日』で最優秀助演男優賞を受賞した本木雅弘(50)も、

「原田監督から出演オファーを頂いて、そのささやかな入り口からこんなありがたいことが起こるとは、想像もしていませんでした」

 と、独特の言い回しで監督への感謝を口にした。それでも事務局の意向に沿うならば、二宮の“身内”への謝辞も歓迎されないことは分かりそうなもの……。

 芸能評論家の肥留間正明氏は、次のように指摘する。

「1月のSMAP騒動を見て、二宮は脱アイドル後の将来を考え始めたのだと思います。経営陣の覚えがめでたくなければ、将来的に近藤真彦や東山紀之のようには出世ができないからです」

 先のディカプリオは、スピーチの最後に気候変動の危機を訴えて喝采を浴びた。他方、二宮は改めてジャニーズ事務所の強権支配を印象付けてしまったのである。

「ワイド特集 春色の時限爆弾」より