一世風靡「アグネス・ラム」ハワイからの還暦近況報告

芸能週刊新潮 2016年3月17日号掲載

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 テレビをつければ「ローラ」や「マギー」など外国人女性タレントを見ない日はない。その元祖とも言うべき存在が、ハワイ出身のアグネス・ラム(59)だ。19歳だった1975年に「90・55・92」という抜群のプロポーションでテレビCMに起用されるや一世を風靡。今は家族と故郷のハワイで暮らす彼女が、還暦を迎えて近況を語った。

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デビューは鮮烈

「60歳を迎えることを、日本では『還暦』と言うのですね。でも、こちらにはそういう習慣がないのでとくに感慨はありません。ただ、今後も家族の健康を考えながら家庭菜園などに精を出して行くつもりです」

 ハワイの最北部に位置するカウアイ島に暮らすアグネス・ラムは、華やかな芸能界とは無縁の静かな生活を送っている。

「83年に日本の芸能界を引退してからは、夫と息子2人の家族4人で暮らしています。夫は観光用の大型フィッシングボートを2隻所有しており、アメリカ本土やカナダからのお客さんを中心に商売をしています。息子たちはそれを手伝っていて、彼らが仕事に出ている間、私は家で庭の手入れをしたりと忙しくしています。食事はいつも家族全員で取るので、毎日、夕方には支度を始めなくてはなりません」

 かつて日本の芸能界を席巻した“黒船”も、すっかり主婦業が板についた様子だ。

 振り返ると、アグネスの日本デビューはカーオーディオメーカー「クラリオン」の初代キャンペーンガールに選ばれたことがきっかけだった。まだ高度経済成長の余韻が残る時期で、その後はコダック、ライオン、資生堂、トヨタ自動車といった一流企業のCM9本にトントン拍子で起用される売れっ子となった。

 芸能レポーターの石川敏男氏が解説する。

「CMだけでなくバラエティなどにも進出し、77年には『雨あがりのダウンタウン』で歌手デビューを果たしました。81年には加山雄三主演の映画『帰ってきた若大将』で銀幕にも登場するなど、あっという間に日本のお茶の間に馴染んだという印象ですね」

 その理由は、

「中国系アメリカ人のせいか、日本人が親しみやすい顔立ちでした。しかも、推定Fカップの巨乳なのに童顔なのでいやらしく見えない。そういう日本人離れした独特の魅力が受けたんです。人気ぶりも凄まじく、同じ時期にヒット曲を連発していた歌手の天地真理(64)に迫るほどでした」

■お客さん然

 ところが、アグネスは10年も経ずにあっさり芸能界から身を引いた。当時、彼女が所属した渡辺プロダクションの元幹部が振り返る。

「タレントにありがちなガツガツした所がない子でね。デビューから引退するまで、“お客さん然”とした素朴さはなくならなかったな」

 改めて、芸能界を離れた理由をアグネスに尋ねると、

「引退を決めたのは、ハワイで携わっていた新人モデルを教育する仕事が忙しくなったことや、オアフ島の実家で過ごす時間が増えたから。86年には結婚をしたので、それ以降は私自身が撮影される仕事を引き受けないようにしたんです」

 ただ、折につけては日本での日々を思い出すという。

「帝国劇場で長谷川一夫さんと日本舞踊を踊るために、名古屋をどりの西川鯉三郎さんに3カ月にわたって踊りや着付け、作法を手取り足取りご指導頂いたことは忘れられません。それから、映画でご一緒した加山雄三さんは、英語で話をして下さるなど大変お世話になりました」

 表舞台から去って約30年。時折、日本を訪れても、周囲に気付かれることはないそうだ。

「60周年特別ワイド 輝ける明日への遺言」より