和歌山毒カレー事件「林真須美」が夫に離婚届を送っていた!

社会週刊新潮 2016年2月25日号掲載

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「疑惑の夫婦」がメディアを席巻したのは18年前のことだった。和歌山市の夏祭りでカレーに猛毒のヒ素を入れて4人を殺害したとして、死刑判決が確定している林真須美(54)。保険金詐欺の罪で服役し、11年前に出所した夫の健治元受刑者(70)は目下、妻の“異変”に気を揉んでいるという。

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林健治元受刑者(70)

 林夫妻が最初に詐欺容疑などで逮捕されたのは98年10月。妻は同年暮れにカレー事件で起訴され、夫は00年、詐欺罪で懲役6年の実刑が確定。05年6月に滋賀刑務所を出所し、現在は和歌山市内のアパートに1人住む。本人を訪ねると、

「保険金詐欺は、人の好き嫌いを言うてたらつとまらん。まずはあらゆる人と付き合うて、それを全部自分の腹に入れる。そこから『こいつは金持っとる』『騙しやすいな』と、冷静に見ていくんや」

 と“要諦”を披露しつつ、

「今も毎晩枕元で後悔してるのは、受け取った8億円以上の保険金の大半を、使い込んでしまったことやな」

 88年、自らヒ素を口にして詐取した高度障害保険金の2億円は、

「半年で使うてしまった。96年に真須美の母親が亡くなった時の1億4000万円も、大半が競馬や競輪、外車を買うたりして消えてった。競輪で3000万円当てた時は楽しかったな。束ねてた輪ゴムを外して札束を大きなゴミ袋に入れたら、札が袋の中でバラバラと広がるんや。その袋を子供に被せて写真を撮ったんやけど、うちの子は『助けて〜お金で死んでまう』って叫んどった」

 写真は後日、県警に押収されたといい、

「『罰当たりが』って怒られましたわ」

 そう嘯(うそぶ)くのだった。

 妻の真須美は09年5月に最高裁で死刑が確定し、現在は再審請求中である。

「夫婦喧嘩は滅多にせんかったけど、一度、『麻雀ばっかりせんと子供(4人)を動物園にでも連れて行け』て言われて阪神競馬場に連れて行ったら、子供らが帰って『今日は馬ばっかりやった』て言うもんやから、思いきりどつかれた。そんなわしがこうして外におって、真須美が大阪拘置所におるのは、理不尽やなあと思うんです」

■「何を考えているんや」

 さらには、こんな“理不尽”まで明かすのだ。

「今年に入って、真須美から3回も離婚届が送られて来とる。手紙はなくて、封筒に入っているのは届だけ。一体、何を考えているんやろ。わしのことを『全然面会にも来いへんし、差し入れもせえへん』て言うとるらしいけど、わしは09年にカラオケをしてて脳出血で倒れてから、ずっと車椅子やし、生活保護で金もない。行きたくても行かれへんのや」

 弱り目に祟り目というべきか、札束をおもちゃにしていた暮らしも一変したわけだ。

「今では、スーパーでトマトに498円て値札がついてたら、棚に戻す。昔は値段なんて見んと、欲しいものは何でもカゴに入れてたんやけど……」  

 食事や掃除の世話はヘルパーがしてくれ、週2回はデイサービスにも通う。

「若いお姉さんがお風呂に入れてくれるのはホンマありがたい」

 と言いつつ、

「せやけど信用はできへん。テレビで見たんやけど、女子刑務所に入った人たちに『出所したら何をしますか』て聞くと、たいがいヘルパーて答えるんや。悪い女もおるし、わしだってどんな噂されてるか分からへん」

 毒づくあたりは、さすが“経験者”の視点か。

「60周年特別ワイド 『十干十二支』一巡りの目撃者」より